保護メガネは本当に目を守るのに効果があるのだろうか。
パソコンのモニターを長時間見続けると、目の疲れが蓄積し、充血や涙目になることが多い。人工涙液を使っても簡単には解消されないこれらの症状は、近距離作業による疲労の蓄積が原因である可能性が高い。そのため、保護メガネが目の健康に役立つかどうかに注目が集まっている。
目の疲れは主に、水晶体の屈折力を調整する「毛様体筋」という筋肉の過度な使用によって生じる。パソコンのモニターやスマートフォンを長時間見続けると、毛様体筋が常に収縮した状態を維持しなければならず、そのため目が容易に疲れてしまう。そして、画面に集中している間は瞬きの回数が減少し、涙が蒸発して眼球が乾燥する問題も発生する。
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保護メガネはこのような疲労を軽減するのに効果的なのだろうか。視力に特別な問題がない人にとっては、保護メガネが目の疲れを直接的に軽減する役割を果たすことは難しい。ブルーライトカットメガネや紫外線カットレンズは特定の環境では効果があるかもしれないが、近距離作業による疲労とは大きな関連性がない。デジタル機器の使用による目の疲れは、ブルーライトそのものよりも長時間の近距離作業と瞬きの減少から生じるからだ。
したがって、目の疲れを軽減するには保護メガネよりも作業環境を調整することがより効果的である。まず、モニターとの距離を最低30cm以上保ち、目線の高さに合わせて画面の位置を調整する必要がある。そして、画面の明るさを周囲の照明に合わせて適切に調整することが重要だ。
長時間作業する場合は、1時間ごとに5分間目を閉じて休憩するか、遠くを見ることで目の緊張をほぐすことが効果的である。乾燥した室内環境では湿度を40~60%に保ち、必要に応じて加湿器を使用することが推奨される。ドライアイがひどい場合には、人工涙液の使用や眼科での治療も検討すべきである。
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しかし、保護メガネが全く意味がないというわけではない。ブルーライトカットメガネは長時間デジタル機器を使用する場合、目の健康を守るための補助的な手段となる。特に、視力が良好な人でも外出時に紫外線カット機能のあるサングラスを着用することで、白内障などの目の加齢性疾患の予防に役立つ可能性がある。
結局、目の健康を守るためには保護メガネに頼るのではなく、適切な作業環境を整え、十分な休息を取ることが重要である。デジタル機器の使用が不可欠な現代社会において、目の疲れを最小限に抑えるためには生活習慣の改善が最も効果的な対策と言える。