米国で4ブランドが同時にリコール
全て原因はバッテリー火災の懸念
サムスン製バッテリーの欠陥か
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電気自動車の火災原因が中国製バッテリーにあるとの指摘から、電気自動車市場では中国製バッテリーを避ける動きが広がっていた。しかし、今回は韓国製バッテリーが論争の中心となった。サムスンSDIの高電圧バッテリーパックがその主役だ。
フォード、フォルクスワーゲン、ジープ、アウディの4ブランドが同時にリコールを発表した。リコールの理由としてサムスンSDI製の高電圧バッテリーパックの火災リスクを挙げており、サムスンSDIに起因する4ブランドの同時リコール、その詳細を見ていこう。
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発火するメイド・イン・コリア
サムスン製バッテリーパックの欠陥
フォード、フォルクスワーゲン、ジープ、アウディは約18万台規模のリコールを同時に発表した。共通のリコール理由は「サムスンSDIが製造した高電圧バッテリーパックの欠陥」だ。米国道路交通安全局(NHTSA)によると、バッテリーセルのセパレーター膜の損傷が他の部品と相互作用し、火災リスクを引き起こすとされている。
サムスンSDIはバッテリーセル製造過程でセパレーター膜層が損傷する可能性を認め、原因究明のための調査を進めていると述べた。高性能電気自動車バッテリーの信頼性は電気自動車産業全体に大きな影響を与えるため、今回の欠陥は業界に大きな衝撃を与えている。
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解決策はまだ見つからず
通知による暫定措置
サムスンSDIと該当する自動車メーカーは現時点で具体的な解決策を示していない。各メーカーは消費者に対し、火災リスクを軽減するため車両を屋外の駐車場に保管するよう推奨している。消費者からは迅速な対応策の策定を求める声が上がっている。
フォードは警告メッセージを通じて、即時の措置を促すシステムを導入している。フォードのダッシュボード警告機能は車両で問題が検出されると直ちに停車するようメッセージを表示し、人命被害を最小限に抑えるための措置を講じている。
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私の車も対象?
リコール対象となった車種は
今回のリコール対象となる車種は計6車種だ。2020年から2024年製造のジープ・ラングラー4xe、2022年から2024年製造のジープ・グランドチェロキー4xe、2020年から2024年製造のフォード・エスケープ、2021年から2024年製造のリンカーン・コルセア、2022年型アウディ・A7、2022年型アウディ・Q5が含まれる。
これに対し、海外のネットユーザーからは「韓国製バッテリーも中国製と同様に品質問題を抱えている。日本製バッテリーが最も安全だ」「サムスンSDIは技術を進化させる必要がある」といった反応が見られる。サムスンSDIが迅速かつ適切な対応で、グローバル市場における韓国製バッテリーの評価を守れるかが注目される。