タイタニック号の残骸を見て回る観光ツアーに参加し、死亡したフランスの探検家の遺族が、米潜水艇の運営会社に対し5000万ドル(約73億4753万円)以上規模の訴訟を提起した。
7日、英ガーディアンによると、フランスの探検家であり海洋専門家だったポール=アンリ・ナルジョレ氏の遺族は、米ワシントン州キング郡裁判所に提出した訴状で、ナルジョレ氏が亡くなった事故は、潜水艇「タイタン」の運営会社であるオーシャンゲート社の重大な過失によるものだと主張した。
遺族側を弁護するヒューストン・バーズビー法律事務所は、事故前から潜水艇が問題を抱えていたにもかかわらず、オーシャンゲート社がタイタンの耐久性に関する重要な情報を公開しなかったことから、意図的に隠蔽した可能性もあると指摘した。
弁護人の一人であるバーズビー弁護士は、タイタンの事故がなぜ、誰のせいで起こったのかを確認するため提訴されたものだと述べた。
米沿岸警備隊は、タイタン事故の直後に調査委員会を構成し事故調査に入った。また、来月には公聴会が開かれる予定である。
タイタンは昨年6月18日、オーシャンゲート・エクスペディションの最高経営責任者(CEO)であるストックトン・ラッシュ氏、英億万長者のハミッシュ・ハーディング氏、パキスタン系財閥のシャザダ・ダウド氏とその息子のスレイマン氏、そしてナルジョレ氏を乗せて、沈没した英豪華客船タイタニック号に向かう途中で行方不明となった。
米沿岸警備隊などの大規模な捜索により、行方不明から4日後潜水艦の残骸が深海で見つかったが、搭乗者5名は全員死亡したと伝えられた。
潜水艇は、激しい外部水圧により同体が内側に急速に崩壊する現象「内破」現象を経験したと分析された。
行方不明となったタイタンは、6.7メートルの長さで、カーボンファイバーとチタンで作られた潜水艇であり、設計上では操縦士1名と乗客4名を乗せて海底4000メートルまで降下できるように造られていた。