カメラ搭載用とみられるパーツが付いたハーネスを装着した状態で発見され、スパイとしてロシアに訓練されていたと推測されたシロイルカ(ベルーガ)の死体が、ノルウェー近海で発見された。
2日(日本時間)、「BBC」は「ノルウェー南西部リサフィカでロシアスパイのシロイルカの死体が発見された」と報じた。
シロイルカは2019年5月にノルウェー最北端のフィンマルク県の沿岸で初めて目撃された。
当時、カメラ搭載用とみられるパーツが付いたハーネスを巻き付けられた状態だったが、海洋生物学者らがハーネスを外したところ、「サンクトペテルブルクの備品」とロシアの都市名が書かれていた。
そのため、ノルウェー当局はシロイルカがロシア海軍の飼育施設で訓練されていたところを逃げだした可能性があると見ていた。
ノルウェーではノルウェー語で「クジラ」を意味する「hval」とロシアから来たということを掛けて、「バルジ―ミル(Hvaldimir)」というロシア風の愛称で呼ばれていた。
バルジ―ミルは装置を取り外した後も、ノルウェーやスウェーデン近海など北海で頻繁に目撃されていた。
バルジ―ミルの動きを観察してきたNGO「マリーン・マインド(Marine Min)」は、「死体発見の24時間ほど前にもバルジ―ミルが生存しているのを確認していた」と明らかにした。
マリーン・マインドは「バルジ―ミルはよく人々に関心を示し、合図や掛け声にも反応した」と話している。
マリーン・マインドのCEOは現地メディアとのインタビューで「初期の検査では目立つ外傷などはなかった。死体は回収、保管されており、今後、専門家による解剖を通じて正確な死因がわかるだろう」と述べた。
シロイルカはイッカク科シロイルカ族に分類される鯨類で、主な生息地は北極海やベーリング海北部、オホーツク海などの寒冷な海である。平均寿命は40〜60年とされているが、バルジーミルは推定14、15歳と見られる比較的若い個体だった。
一方、ロシアはバルジ―ミルの「スパイ疑惑」について発見された時から一貫して公式な立場を明らかにしていない。