鉄壁の防空網で知られるイスラエル上空、通称「アイアンドーム」だが、イランの弾道ミサイルの一部が基地や建物に着弾していたことが明らかになった。
1日(現地時間)イランがイスラエルに対して弾道ミサイル約180発を発射した大規模攻撃の際、ほとんどは撃墜されたが、一部が防空網を突破し、空軍基地などの軍事施設に着弾した。
4日、「ワシントン・ポスト」や「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」など複数のメディアが、専門家による衛星写真の分析結果として、イランが発射した弾道ミサイル約180発のうち約30発がイスラエル南部のネバティム空軍基地周辺に着弾したと報じた。
WSJは当時の映像を確認した結果、ミサイル20発がイスラエル南部のネゲブ砂漠に位置するネバティム空軍基地に、3発がイスラエル中央地区に位置するテルノフ基地に着弾した場面が確認されたと伝えた。
ネバティム基地はステルス戦闘機F-35を含むイスラエル空軍の最新鋭戦闘機の拠点となっている。
「CNN」はミサイル2発は戦闘機用とみられる格納庫を狙ったが弾道が逸れ、約12メートル離れた位置に着弾したと報じた。
別の映像では、少なくとも2発の弾道ミサイルがイスラエルの対外諜報機関「モサド」の本部に近い商業地域に着弾する場面がおさめられていた。
イランが今回の攻撃でアイアンドームを突破したのは、4月の攻撃時に使用されたドローンや巡航ミサイルなどとは異なり、極超音速弾道ミサイル「ファタ」など、より高速のミサイルを使用したためであるといわれている。
アメリカ国防総省は、今回のイランの攻撃規模は4月の約2倍に達すると分析している。
韓国の通信社「聯合ニュース」によると、ドイツ・ハンブルク大平和研究・安全保障政策研究所のウルリヒ・キューン氏は「ミサイルの速度が速いほど、撃墜が難しくなるのは自明の理だ」とし、「特定のターゲットに向け大量のミサイルを発射すれば、防空システムを圧倒することもある」と指摘した。