アメリカ大統領選挙が来月5日(現地時間)に迫る中、民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の終盤戦が激しさを増している。支持率の差が誤差範囲内で接戦の両候補は、それぞれ激戦地と相手陣営の地盤に足を運び、支持を呼びかけた。
■敵地に乗り込むトランプ前大統領 vs 支持層結集を図るハリス副大統領
CNNなど現地メディアによると、共和党の大統領候補であるトランプ前大統領は27日、ニューヨークの有名なアリーナ、マディソン・スクエア・ガーデンで大規模な選挙集会を開催した。ニューヨークは1980年代まで激戦州とされていたが、1988年から2020年までのすべての大統領選で民主党候補が勝利している。
ニューヨーク・クイーンズ出身のトランプ前大統領は、以前からメディアを通じてマディソン・スクエア・ガーデンでイベントを開催したいと話していた。
トランプ前大統領は「皆さんの一票で11月に我々はアメリカを救う」と述べ、「減税し、物価を下げ、賃金を引き上げ、工場をアメリカに取り戻す」と約束した。
また、対立候補のハリス副大統領に対して「彼を大統領にすることは数百万の命を賭けたギャンブルだ。彼は我々を第三次世界大戦に導くだろう」と非難し、激戦州の世論調査で自身が優位に立っていると主張した。
同日の集会には、これまで選挙運動にほとんど姿を見せなかった元ファーストレディのメラニア・トランプ前大統領も参加し、支持を呼びかけた。さらに、無所属の大統領候補だったロバート・ケネディ・ジュニアや、テスラのイーロン・マスクCEOなど、著名なトランプ前大統領の支持者たちが壇上に上がり、党大会に匹敵する応援演説が繰り広げられた。
一方、ハリス副大統領は同日、激戦州であるペンシルベニア州を訪れ、黒人教会などを巡りながら民主党支持者の結集を図った。フィラデルフィアでの演説で「トランプのせいで、過去10年間のアメリカ政治を特徴付けてきた分断と恐怖のページを閉じる機会が目の前にある」と強調した。
ハリス副大統領は大統領選まで1週間となる29日、ワシントンD.C.のホワイトハウス近くにあるエリプス公園で「最終弁論」とされる演説を行い、トランプ前大統領への批判を強調する予定だ。この場所は2021年1月6日のアメリカ議会襲撃事件の際、トランプ前大統領が選挙結果に異議を唱える演説を行った場所である。
■支持率1~2%ポイント差の接戦
27日時点で両候補の支持率差はわずか1~2%ポイントに過ぎなかった。ハリス副大統領は同日、アメリカABC放送とフランスの世論調査機関イプソスが公表した世論調査で49%の支持率を獲得し、トランプ前大統領(47%)を2ポイント差でリードした。この調査は今月18日から22日まで登録有権者2392人を対象に実施され、誤差範囲は±2ポイントだった。グループ別の支持率を見ると、女性有権者のハリス副大統領の支持率はトランプ前大統領より14ポイント上回っていた。
黒人(83ポイント)、ヒスパニック系(30ポイント)の有権者のハリス副大統領の支持率もトランプ前大統領を上回っていた。一方、男性有権者のトランプ前大統領支持率はハリス副大統領を6ポイント上回り、白人(11ポイント)、高卒以下の学歴(11ポイント)の有権者でもトランプ前大統領が優勢だった。
同日、アメリカCBS放送とイギリスの世論調査機関ユーガブも世論調査結果を公表した。この調査でハリス副大統領を支持すると答えたのは50%、トランプ前大統領を支持するとの回答は49%だった。調査は今月23日から25日にかけて登録有権者2161人を対象に行われ、誤差範囲は±2.6ポイントだった。
CBSは激戦州の調査ではハリス副大統領とトランプ前大統領の支持率が50%で同率だったと発表した。ハリス副大統領は先月の激戦州調査でトランプ前大統領を3ポイント差でリードしていたが、2週間前には1ポイント差に縮まっていた。
現地メディアは、支持候補を明かさない「シャイ・トランプ」や「隠れハリス」の存在を指摘し、投票率によって勝敗が分かれると予想している。
面白いですね私はハリスさんが勝ってほしいです