レバノンのミカティ暫定首相は、レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」とイスラエルの停戦がアメリカ大統領選より前に数日内に発表される可能性があると明らかにした。
31日(現地時間)中東メディア「アルジャジーラ」によると、前日30日、ミカティ暫定首相はレバノンの地元テレビ局とのインタビューで「我々は停戦に向けて全力で対応しており、慎重になりつつも楽観的な見方として、今後、数時間または数日以内に停戦が実現すると考えている」と語った。
ミカティ暫定首相はバイデン政権の中東特使を務めるホクスタイン氏と電話会談を行い、停戦の可能性についてこのような考えに至ったと説明した。
「ホクスタイン氏いわく、11月5日の大統領選より前に合意に達する可能性がある」とも明らかにした。
そして「国連安全保障理事会決議1701こそ、レバノン南部に長期的な安定をもたらす生命線だ」とし、この決議の履行を強く求めた。
イスラエルの公共放送局「KAN」は60日間戦闘を停止し、停戦後の第1週にイスラエル軍がレバノンから撤退後、レバノン軍が同国南部に展開するのを含むアメリカの停戦案が流出したと報じた。
ただし、草案にはヒズボラなどの脅威を防ぐためにイスラエルがレバノン領土に比較的容易に侵入できる広範な権限が含まれているとされている。
しかし、アメリカの国家安全保障会議のスポークスマンは問い合わせに対し「草案などに関する様々な情報が流布されているが、現在の交渉状況を正確に反映していない」と答えた。
ヒズボラの新指導者となったカセム師は就任後初めてビデオ演説を行い、「戦争計画を継続する」としながらも、「イスラエルが停戦を決めれば、条件次第では受け入れる」と話した。
ただし、現時点ではまだ受入可能な提案とはいえないと明らかにした。
一方、イスラエルはヒズボラを標的としたレバノン空爆を依然として続けている。
世界遺産に登録されている古代ローマ神殿群があるレバノン東部ベカー渓谷の都市バールベックを狙ったイスラエル軍の30日の空爆でも、女性8人を含む少なくとも19人が殺害されたとレバノン保健省が伝えた。