アメリカ第47代大統領を選出する投票は5日(日本時間5日午後2時)に実施される。2年以上続くロシア・ウクライナ戦争や、数万人の犠牲者を出している中東紛争、そして経済覇権をめぐる貿易摩擦など、解決すべき課題が山積している状況で行われる今回の大統領選に、各国の注目が集まっている。
すでに7500万人のアメリカ有権者が事前投票で次期大統領を選び、主要世論調査の結果によれば、両候補はほぼ同率の支持を得ている。
ニューヨーク・タイムズと共同で実施した最終世論調査で、シエナ大学は予測不能な激戦になるだろうと発表している。同紙の報道によれば、9つの州では登録有権者の過半数がすでに投票を終えたという。
今回の大統領選では、不法移民の急増、インフレ、連邦最高裁判所の中絶禁止判決、ウクライナと中東の紛争などが有権者の投票行動にどう影響するかが注目されている。また、従来は民主党を支持していた黒人やラテン系の有権者の一部が共和党へ移行する動きが、激戦州を含む候補者の得票にどう影響するかも注目されている。
近年の傾向通り、ペンシルベニア州を含む7つの激戦州の結果が当選を左右すると予想され、候補者たちは選挙日が近づくにつれてこれらの州で集中的な選挙運動を展開した。
大統領選の勝者は新たな歴史を刻むことになる。ハリスはアメリカ初の女性かつアジア系の大統領となる一方、トランプは再選失敗後に再び当選する史上2人目のアメリカ大統領となる。
今回の大統領選は多くの波乱に見舞われた。
当初再出馬を目指していたジョー・バイデン大統領は、候補者討論会での不振が原因で辞任を求められ、最終的に辞退し、ハリスが予備選なしで候補に指名された。また、トランプは昨年7月にペンシルベニア州バトラーでの演説中に狙撃者から発砲を受けたが、弾丸が耳をかすめる形で命拾いし、警備体制の不備が問題視される事態となった。
開票結果は、日本時間で7日未明にはおおよそ明らかになる見込みである。