オーストラリアは軍の兵力を増強するため、兵士の任期を延長する際の現金ボーナスを、拡大することを決定した。これは、太平洋地域での中国の影響力拡大を牽制し、国防力を強化するための措置だ。
5日(現地時間)、オーストラリア国防省が発表した「2024国防人材計画」によると、政府は国防軍(ADF)の兵力拡大と平均勤務期間の延長のため、国防人件費を年間6億オーストラリアドル(約605億円)増額する方針だ。
増額分は、4年の義務勤務を終えた下級兵士がさらに3年間任期を延長する場合に、5万オーストラリアドル(約503万円)のボーナスが一括支給されることに使用される。また、7~9年勤務した兵士が再び任期を延長する際にもボーナスが支給される。
この制度は昨年初めて試行され、対象者の約80%である下級兵士3100人が除隊せずに任期延長を選んだという結果をもたらした。
マット・キオ退役軍人相は「現金ボーナス制度のおかげで軍の勤務継続率が上昇している」とインタビューで説明した。
ただし、任期延長に伴うボーナスは来年7月から4万オーストラリアドル(約403万円)に減額され、この制度は2027~2028会計年度まで続けられる予定だ。
オーストラリアが国防人件費を増やす理由は、現在5万人規模の常勤国防軍人員を10万人規模に増やすためである。政府は、来年6月末時点での常勤兵力を5万8600人と予測しており、2030年初頭までに6万9000人、2040年までに10万人に増やすことを目標としている。
このため、現在5500人規模の年間入隊者を、今後10年間で年9000人規模に増やし、平均勤務期間も7年から12年に延ばす必要がある。
リチャード・マールズ国防相は「これは難しい課題だが、適切な資金支援を通じて勤務条件を改善することで目標を達成できると確信している」と述べ、「予備役が専業またはパートタイムで勤務する機会も拡大する方針だ」と強調した。