ドナルド・トランプ次期大統領の再選を受け、クルスクでの戦闘激化の予測が浮上している。トランプ次期大統領が就任直後に、ウクライナ戦争の終結を宣言した場合、ロシアが本土奪還を加速させる可能性があると見られている。
8日(現地時間)、海外メディアによると、クルスクはウクライナと国境を接する地域であり、ロシアが停戦交渉を主導するうえで大きな障害となっている。
ロシアは、自国に併合を宣言したドネツク、ルハーンシク、ヘルソン、ザポリージャなどウクライナ東部の一部を奪取しても、自国本土をウクライナに譲渡することはできないとの立場を堅持している。
こうした状況の中、トランプ次期大統領が5日の米大統領選で勝利したことを受け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が焦りを見せ始めたとの観測がある。
トランプ次期大統領の側近が議論している停戦構想が最近、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を通じて明らかになり、これによりロシアの焦燥感が高まったとの分析もある。
この構想には、前線を凍結し、非武装地帯を設置すること、さらにはウクライナに対して北大西洋条約機構(NATO)加盟の取り組みを延期するよう求める内容が含まれている。
もしこの案が現実化すれば、ロシアはウクライナ領土の20%占領し続ける代わりに、クルスクを放棄しなければならない。プーチン大統領は10月1日までにクルスクからウクライナ軍を排除するよう命じたが、ロシア軍はこれを達成できなかった。
海外メディアは、トランプ次期大統領の停戦構想を受け、ロシアがどんな犠牲を払ってでも、クルスクに対して強硬策を取る可能性があると分析している。
実際、戦闘の報告も伝えられている。海外メディアによると、北朝鮮軍が関与しているとされるロシア第810海兵旅団が7日、クルスク西部のウクライナ軍陣地を攻撃したという。
ウクライナ軍を支援するドローン操縦者は、14台のロシア製BTR-82装甲車が投入されたが、そのうち10台が破壊または放棄されたと述べた。BTR-82装甲車1台には最大10人まで搭乗できるため、最大140人の兵力が犠牲になった可能性があると分析されている。
クルスクでウクライナとロシアの戦闘が激化すれば、この地域に投入された北朝鮮軍が最初に危険にさらされる可能性が高いとの見方がある。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は5日の報告書で、「ロシア軍はクルスクでウクライナ軍を撃退するため、北朝鮮軍の兵力を最初に使う可能性が高い」と指摘した。