出生届も提出されていない新生児を、身元不明の女性に違法に養子縁組させた30代の男性に対し、検察が実刑を求刑した。
23日、司法関係者によると、検察は韓国・大田地方裁判所の刑事11部(裁判長 チャン・ミンジュ裁判官)で審理される児童福祉法違反(児童遺棄・放置)事件の結審公判において、30代の被告人Aに対し懲役2年を求刑するとともに、5年間の児童関連施設への就職禁止を求めた。
Aは昨年2月9日、韓国の大田市中区(テジョン市チュン区)の産婦人科で妻が出産した子供について、出生届を提出せずに違法な養子縁組を行った疑いで起訴された。
A夫妻は、あるSNS上で子供を育ててくれる人物を募集する書き込みを投稿。その後、Aは応募してきた女性と接触し、本人確認も行わないまま子供を引き渡した。
捜査の結果、子供を引き取った女性の身元は特定できておらず、現在も子供の所在は不明となっている。
A側の弁護人は、「本件について弁解の余地はない」として、起訴内容をすべて認めた。
さらに「被告人の行為は情状酌量の余地がないほど恥ずべきものと認識しているが、起訴事実をすべて認め、深く反省していることを考慮願いたい」と述べた。
最後に意見陳述に立ったAは、「過ちを犯し、この法廷に立つことになり、顔を上げる資格がない」とし、「子供の無事を祈るばかりで、探す努力もしなかった自分が情けない。判決後は子供を捜す努力を重ね、謝罪の気持ちを持って生きていく」と述べた。