米ワシントン州を襲った「爆弾サイクロン」により、木が道路上に倒れ、現代自動車(ヒョンデ)製自動車を直撃するという事故が発生した。幸いにも運転手は無傷で奇跡的に生還した。これによりヒョンデ自動車の安全性が示されたと注目されている。
現地時間25日、米国地方放送「KING-TV」によると、19日夕方、ワシントン州シアトル北東部レイクシティの35番街で、タイソン・ラミレス氏(27歳)が運転中だった青いアクセント車の上に巨大な木が倒れてきたという。
ラミレス氏は下り坂を走行中、車に向かって木が倒れてくるのが見えたため、その衝撃に備えた。彼は「身を縮めて衝撃を最小限に抑えようとした途端、すぐに木が車の屋根を直撃した」と当時の状況を振り返った。
事故により車両は甚大な被害を受け、木が車の屋根と両側のドアを完全に押しつぶし、自力では脱出できない状態となった。救助を待つ間、ラミレス氏は約90分間、車内に閉じ込められていた。彼は「閉じ込められている間も無傷だったことに感謝している」と語り、極度の恐怖を感じながらも安堵したという。
通行人が通報し、消防救助隊が出動して救助活動を行った。目撃者の中には、ラミレス氏に「この瞬間を記録するために写真を撮っておくべきだ」とアドバイスする人もいた。
ラミレス氏の両親は事故の知らせを受けてすぐに現場に駆けつけ、救出された息子と再会して安堵の表情を見せた。ラミレス氏は救出後、両親を抱きしめ「無事に家に帰れることに感謝している」と述べた。消防隊員らが車両を覆っていた木を退かし、ドアを切り開いて救助を行ったことで、彼の命は救われた。
ラミレス氏の車両は事故により廃車となった。彼は新車購入の資金を集めるため、オンラインで募金活動を始めた。彼の募金ページには事故当時の状況と破損した車両の写真が掲載され、多くの人々の関心を集めている。目標金額は5,000ドル(約75万円)で、すでにかなりの額が募金されている。
今回の事故で、ヒョンデ自動車の安全性が注目を集めている。安全性の面で高い評価を受けているアクセントが、事故の際に運転手を守る重要な役割を果たしたと見られている。韓国では既に生産終了となった小型セダンのアクセントだが、米国で販売されている同クラスの車種の中では最も「コストパフォーマンスが高い」車として評価されている。
同様に、車両の安全性が命を救う重要な役割を果たした別の事例としては、タイガー・ウッズ氏の事故が挙げられる。2021年2月、有名ゴルフ選手であるウッズ氏が米ロサンゼルスでジェネシスGV80を運転中、車両が横転する重大事故に遭遇した。車は道路から逸れて斜面を転げ落ち、前面部分が激しく損傷した。ウッズ氏は命に危険から奇跡的に生還した。
現地警察によると、GV80の堅牢なボディと多数の安全システムがウッズ氏の命を救ったという。特に車内の構造がほぼ無傷で残っていたこと、ウッズ氏がシートベルトを着用していたことが生存率を高めた。当時ウッズ氏は足に負傷を負い病院に搬送され手術を受けたが、命に別状はなかった。
今回の爆弾サイクロンは、ワシントン州全域に甚大な被害をもたらした。シアトルでは、秒速30メートルに達する強風が住宅や道路を襲い、数十万世帯が停電に見舞われた。特に強風で倒れた木により2名が死亡し、複数の地域で車両や建物が損壊した。
CNNは今回の暴風雨を「10年に一度の猛烈な自然災害」と伝え、その破壊力を詳細に報じた。シアトル郊外では木が住宅を直撃し女性1名が死亡、ホームレスが集まるキャンプでも死亡者が出た。
「爆弾サイクロン」とは、気圧が急激に低下し、暴風雨と強風を伴う気象現象を指す。
気象専門家らは、強風と豪雨が続く場合、車の運転手も歩行者も警戒を怠ってはいけないと警告している。また、樹木の多い地域では枝や木片が事故を引き起こす可能性が高いため、特に注意が必要だと指摘している。