次期ドナルド・トランプ政権の国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏(44歳)が、母親から不倫に関する厳しい批判を含むメールを受け取っていたことが明らかになった。自身の母親からも「女性に対する敬意が欠如している」と指摘された事実が判明し、物議を醸している。
9月30日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ヘグセス氏の母ペネロピーは2018年4月、息子に宛てたメールで「女性を軽視し、欺き、同時に複数の女性と関係を持ちながら弄ぶ男を私は嫌悪するが、あなたがまさにそうだ」と述べ、「母親として胸が痛み、恥ずかしいが、これが真実だ」と綴った。
彼女はさらに「あなたが長年にわたり女性に対して行ってきた乱れた関係、裏切り、軽蔑は、暴露されるべきだ」とし、「誰かがあなたの行いを指摘し、立ち向かうべきだ。私はあなたを今でも愛しているが、あなたの行いのせいで私たちの関係は壊れてしまった」と批判した。
続けて「私はあなたのために祈っている。あなたと議論したくはない。どうせあなたは私の言葉を歪曲するから」と述べ、「あなたが過ちを犯した多くの女性に代わって言うが、専門家の助けを借りて正直に自分を見つめ直すべきだ」とアドバイスした。
このメールは、ヘグセス氏の2番目の妻サマンサ・ヘグセス氏との離婚訴訟中に送られたとみられる。2番目の妻は、ヘグセス氏が結婚生活中に婚外子をもうけたとして離婚訴訟を起こした。ヘグセス氏は最初の妻とも、自身の不倫を理由に離婚訴訟を起こされている。
このメールの内容は、今後の上院の人事承認公聴会で論争の的になる可能性が高い。フォックスニュースのアンカー出身で、イラク・アフガニスタン戦争の従軍経験を持つヘグセス氏は、トランプ次期大統領から国防長官に指名されて以来、様々な性的スキャンダルに巻き込まれている。
特に2017年、カリフォルニア州のあるホテルで一緒に酒を飲んでいた女性の携帯電話を奪い、外出を阻止した後に性的暴行を加えた容疑で訴えられていた事実が、長官指名発表後に明らかになった。
ヘグセス氏は合意の上での性行為だったとして容疑を否認している。彼は数年後、その女性と非公開で和解したとされる。実際に起訴には至らず、その女性も公に訴訟を起こしていないとされる。そんな中トランプ次期大統領陣営は、ヘグセス氏の任命を強行する姿勢を示している。