イスラエルがレバノンとレバノンに拠点を置く親イラン武装組織「ヒズボラ」との停戦案に合意した一方、ガザ地区では引き続き激しい攻撃を続け、直近数日間で少なくとも200人以上が殺害されたという。
深刻な食糧難が続く中、物資を運ぶトラックの窃盗や盗難が相次ぎ、国連の救援物資の配送も見合わせられることになり、ガザ地区の状況は急激に深刻化している。
1日(現地時間)「CNN」などの海外メディアは、ガザ地区の保健当局者の話として、前日30日のガザ地区北部の空爆だけで少なくとも200人が死亡したと報じた。
現地のカマル・アドワン病院の院長はCNNに対し、ベイトラヒヤ地区とタルアルザタール地区では200人以上が入居していた5棟の建物が攻撃されたと語った。
タルアルザタール地区では100人以上が、がれきの下敷きになり、救出されたのはわずか1人だけだったという。
さらに、戦争の長期化に伴い食糧難が深刻化し、食料などの支援物資を積んだトラックの略奪や盗難も相次いだため、イスラエルとガザ地区を隔てるケレムシャローム検問所を通じた救援物資の配送も中止に追い込まれた。
国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は、「イスラエル当局による妨害や支援物資の量を制限する政治的決断が複雑に絡み、ガザの法と秩序を崩壊させ、ガザの人道支援活動は不可能になった」と指摘した。
ラザリーニ氏は「ケレムシャローム検問所を経由するルートはずっと前から安全でなかった」とし、「飢餓が急激に深刻化する中で、(救援物資の配送見合わせは)苦渋の決断だった」と述べた。
そして、イスラエル当局に対し「救援物資がガザ地区に安全に届けられるよう、人道支援要員への攻撃は控えるべきだ」と強く求めた。