韓国の暗号資産（仮想通貨）への投資熱がアメリカメディアを驚かせた。
アメリカ暗号資産専門メディア「コインテレグラフ」によると2日、韓国の個人投資家が過去24時間で記録した暗号資産取引額が180億ドル（約2兆7,006億円）に達した。この金額は、同期間中の韓国株式市場の取引量を22%上回るものである。コインテレグラフは、韓国で「モメンタム」トークンが人気を博しており、暗号資産市場全体に大きな影響を与えていると伝えた。
韓国の投資家の取引で最も注目を集めたのはリップル（XRP）だった。リップルは一日で63億ドル（約9,450億円）もの取引量を記録し、圧倒的な1位を占めた。これに次いで、ドージコイン（DOGE・16億ドル／約2,400億円）、ステラルーメン（XLM・13億ドル／約1,950億円）、イーサリアムネームサービス（ENS・9億ドル／約1,350万円）、ヘデラ（HBAR・8億ドル・約1,200万円）が続いた。
リップル、イーサリアムネームサービス、ヘデラは暗号資産コミュニティで「ダイノコイン」と呼ばれる、いわゆる「古参」のトークンだが、これらは最近の市場で顕著な成果を示し、それぞれ90%、73%、168%の週間上昇率を記録している。
暗号資産市場分析に特化した研究機関「10xリサーチ」の創設者マーカス・ティレン氏は、今回の現象を「アルトコインシーズン」の兆候と見ている。ビットコインのファンディングレートが年換算15%で比較的安定している中で、アルトコイン市場の取引量は急増しているためだ。ティレン氏は「韓国の個人投資家が暗号資産市場をリードし、アルトコインの取引量が爆発的に増加している」と分析した。
リップルは過去1か月で400%を超える上昇を記録し、ソラナ（SOL）とテザー（USDT）を抜いて時価総額ベースで第3位の暗号資産となった。コインテレグラフは、リップル価格急騰について、ネットワークの技術的改善やグローバル投資家の関心増大に起因すると評価している。
同メディアによると、韓国の暗号資産市場は他国と比較して特に迅速な反応と高い取引量で注目を集めている。短期的な利益を追い求める個人投資家が、モメンタムのコインに集中する動きが続いており、従来の投資市場を超えた暗号資産特有の変動性と流動性を積極的に活用しようとする動きだと同メディアは報じている。
ここ数年間、暗号資産投資のブームは世界を席巻し、韓国も例外ではなかった。特に2017年のビットコイン価格急騰を機に、韓国の投資家の関心が爆発的に高まった。しかし、単なる投資ブームにとどまらず、韓国の暗号資産投資家には、他国の投資家とは異なる独自の特徴が見られる。
韓国の暗号資産投資家は、高い関心と参加意欲、リスクに対する積極的な姿勢、さらに政府規制への敏感な反応といった特徴を持っている。
韓国は他国よりも早期に暗号資産市場に参入し、暗号資産に対する認知度や関心が高く、コミュニティも活発だ。投資情報の共有や議論も盛んで、世界最高水準の取引所利用率を誇り、取引量も上位に位置している。
また、政府の規制政策の変化に敏感に反応し、それに応じて市場が大きく変動することもしばしばある。韓国の投資家は、特定の暗号資産やプロジェクトへの期待が高まると、集中的に投資する傾向がある。