ロイド・オースティン米国防長官は訪日中に、韓国で発令された戒厳令とそれに伴う政情不安について、日本側と協議する見通しだ。
軍事メディア「ディフェンス・スクープ」によると、8日(現地時間)、米国防総省の高官が機内ブリーフィングで、韓国での戒厳令発令に伴う情勢不安を含む地域の重要課題について、カウンターパートとの会談で意見交換に多くの時間を割く予定だと述べた。
韓国では3日深夜、ユン・ソンニョル大統領が戒厳令を発令し、政情が一時的に不安定化した。国会の決議により戒厳令は約6時間後に解除されたが、その発令を巡る背景や適法性への批判が相次ぎ、大統領の退陣や弾劾を求める声が強まっている。
米国防総省の高官は、「米国と日本、韓国の三カ国関係はジョー・バイデン政権発足当初から最優先事項だった」と強調し、「すべての関係国が状況の進展に向けて努力していると十分に期待できる」と述べた。
今回の訪問は、来年1月の米国政権交代を前に、バイデン政権下で行われる事実上最後の国防長官のアジア歴訪となる。オースティン国防長官は当初、韓国訪問も検討していたが、突発的な戒厳令の影響で計画が変更されたとされる。
韓国に2万8,500人の在韓米軍を駐留させる米国は、今回の戒厳令に深い懸念を表明した。その後、戒厳令解除を即座に歓迎し、韓国の民主的プロセスと韓国国民への支持を引き続き表明している。