アメリカのトランプ次期大統領への支持を表明していたイーロン・マスク氏に、さらなる吉報が舞い込んだ。
11日、マスク氏が共同創業しCEOを務めるテスラの株価が3.4%上昇し、414ドル(約6万3,036円)を突破したことで、史上最高値を記録した。加えて、非上場企業である宇宙開発会社スペースXの企業価値が3,500億ドル(約53兆2,910億円)に達した。
スペースXの企業価値は、今年6月の自社株買い時に推定された2,100億ドル(約31兆9,746億円)から半年で67%急増している。
テスラ株は11月5日のアメリカ大統領選以降、70%以上の急騰を記録し、上昇の勢いを見せた。
フォーブスによると、マスク氏の保有資産価値はこの日だけで69億ドル(1.90%・約1兆505億円)増加し、総額は3,684億ドル(約56兆925億円)に膨らんだ。
CNBCが入手した資料によると、スペースXは投資家や内部関係者から1株185ドル(約2万8,168円)で12億5,000万ドル(約1,903億円)相当の株式を買い取る契約を結んだ。これにより、スペースXの企業価値は3,500億ドルに達したと同局は伝えた。
スペースXは非上場企業でありながら、資本拡充ではなく既存資金を活用した自社株買いを続けている。これは同社の堅実な財務基盤を反映している。
さらに、スペースXは年に2回程度この形式で自社株を買い取る慣例があるという。そのため、上場していないため株式売却が難しい従業員や株主に実質的な利益をもたらすと同時に、経営権の維持にもつながっているとみられる。
スペースXは来年のトランプ第2期政権発足で、更なる飛躍が期待されている。
特に、トランプ次期大統領の規制緩和に加え、新設される政府効率部(DOGE)の共同長官に指名されたマスク氏が、この規制緩和政策を主導し、スペースXの成長を加速させるとの見方が出ている。
すでにスペースXは、アメリカの衛星打ち上げ市場を事実上独占しており、強力な推進力を持つファルコンロケットを駆使してNASA(米航空宇宙局)との協力を深めている。
しかし、競合他社にとってスペースXとの競争は非常に厳しく、同市場での生き残り自体が困難な状況となっている。
スペースXの主要収益源は、衛星インターネット事業「スターリンク」だ。同社はこれまでに約7,000基の衛星を低軌道に打ち上げ、衛星インターネット網を構築している。現在の加入者数は約500万人に達している。
スペースXの企業価値3,500億ドルは、アメリカの主要防衛産業企業の時価総額合計を上回る。
ファクトセットによると、スペースXが上場企業だった場合、時価総額ランキングで25位となり、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とバンク・オブ・アメリカ(BofA)の間に位置することになる。
一方、テスラ株はこの日の取引中に13.84ドル(3.45%・約2,107円)高の414.83ドル(約6万3,162円)を記録した。