11日(現地時間)、オープンAIの人工知能チャットボット「ChatGPT」とメタが運営する各種SNS(Facebook、Instagram、Threads、WhatsApp)でサービス障害が発生し、ユーザーに多大な影響をかえた。大規模なDDoS攻撃の可能性が懸念される中、ChatGPTの障害はAppleの音声アシスタント「Siri」にChatGPTが統合されたことに起因するとの見方が出ている。
インターネット監視サイト「DownDetector」によると、米東部時間、同日午後6時(日本時間12日午前8時)頃からChatGPTにサービス障害が発生。接続障害の報告件数は瞬く間に2万7,000件を超えた。この障害により、ユーザーはChatGPTや動画AI「Sora」などへのアクセスに支障をきたしたとされる。ただし、オープンAIは日本時間12日午後12時53分にChatGPTのトラフィックがほぼ回復したと発表。オープンAIは「ログイン速度の低下と一部機能の劣化が報告されている」とし、「問題の特定と修正パッチの配布に取り組んでいる」と説明した。
オープンAIは障害の具体的な原因を明らかにしていないが、一部では同日からAppleのSiriにChatGPTが統合されたサービスの提供開始に関連しているとの分析が出ている。AppleはiPhoneなど自社デバイスにChatGPTを搭載したOSを同日から配信開始。複雑な質問や問題に対し、SiriがChatGPTを利用して回答を提供する仕組みだ。これにより、iPhoneユーザーなどからのアクセスが急増し、ChatGPTに障害が発生した可能性があるとIT専門メディア「9to5Mac」は報じている。
同日、FacebookやInstagramなどでも接続障害が発生。DownDetectorによると、米東部時間、午後12時57分(西部時間午前9時57分)頃、FacebookとInstagramがダウンした。障害はメタの他のSNSであるThreads、WhatsApp、Messengerにも波及。接続障害は3時間以上続いた。メタはXを通じて「技術的問題により一部ユーザーがアプリを使用できない状況を認識している」とし、「できるだけ早く正常化を図る」と述べたが具体的な原因については言及しなかった。