ある投資家が、27ドル（約4,200円）を仮想通貨PEPE（ペペ）というミームコインに投資し、5,200万ドル（約80億円）という驚異的な利益を上げ、再びミームコインの注目を集めている。
仮想通貨専門メディア「コインテレグラフ」によると、ブロックチェーン分析企業「ルックオンチェーン」は、600日間非アクティブだったPEPEトークン約2兆1,000億個（約5,200万ドル）が新しいウォレットに転送されたと報告した。
同社はこの事例を「27ドルが5,200万ドルに成長した投資家」というタイトルでSNSのX（旧Twitter）に公開し、190万倍以上という驚異的な利益率に市場の関心が集まった。
クリプトバブルズのデータによると、今年、PEPEは年初から1,600%以上上昇し、年間収益率ランキングで2位を記録した。さらに、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」が1,400%の上昇率で続き、1位は万トラ（OM）ガバナンストークンで1万6,600%以上の収益率を達成した。
ミームコインは本質的な実用性が乏しいとの批判を受けているが、高収益率ゆえに投資家にとっては依然として魅力的な投資対象となっている。
今年5月には3,000ドル（約46万円）をPEPEに投資し4,600万ドル（約71億円）を獲得し、約1万5,700倍の利益を記録した事例も報告されている。これらの事例は、ミームコインが単なる遊びや冗談を超え、暗号資産市場で富を生み出す強力なツールとして確立されつつあることを示している一方で、その収益性には高リスクが伴う。
ビコーズビットコインCEOのマックス・シュワルツマンは、「PEPEは今回の相場サイクルの『王者』になる可能性がある」と評価しつつも、極端な価格変動が投資家に大きな損失をもたらすリスクについて警告している。
実際、10日には暗号資産市場で17億ドル（約2,620億円）規模の大規模な清算が発生し、多くのミームコインが最悪のパフォーマンスを記録した。短期的な利益が期待できる一方、巨額の損失をも引き起こしかねない点が改めて浮き彫りになった。
バイビットの金融商品責任者ハオ・ヤン氏は、ミームコインの成功が若い世代の既存金融システムへの失望を反映していると分析している。彼は、「ミームコインの人気はパンクロックのようなものであり、かつての親世代が享受していた経済的チャンスが若者から失われたことへの反発を象徴している」と語った。