アメリカが核保有国であるロシア、中国、そして、北朝鮮を圧迫するような地政学的対立を継続することは、破滅的な結果を招く可能性があると、ロシアの外務次官が警告した。
18日(現地時間)ロシアの国営通信社「タス通信」や現地有力紙「ベドモスチ」などによると、リャプコフ外務次官はこの日、ロシアが国際的な知的プラットフォームとして主催する「ヴァルダイ・クラブ」のイベントで「アメリカは世界の覇権を確固たるものにするため、リスクをおかした戦略をとっている」と述べた。
また、「(アメリカは)国際ルール違反のギリギリのラインで、危険な賭けに出るかのように、敵対国とみなす国々に対し、力をふりかざしている」と指摘した。
外務次官は「これは核戦略が可能な国々、ロシア、中国、北朝鮮に関する話だ」とし、「アメリカがこれらの国と地政学的対立を深めれば深めるほど、破滅的な結果をもたらす可能性がある」と強調した。
彼はロシアが核の脅威を最小化するために努める一方、アメリカは圧迫により戦略的脅威を自ら作り出し、情勢をコントロールしながら自国の利益を最大化しようとしていると述べ、「我々はこのような状況を断じて容認することはできない」と語った。
さらに、外務次官はアメリカと北大西洋条約機構(NATO)を念頭に「西側諸国の無謀な行動が増えれば、核兵器使用の現実的なリスクも考慮しなければならない」と述べた。
彼は先月、ロシアが核兵器使用範囲を拡大した核ドクトリンの改訂版をプーチン大統領が承認したことをあげ、現状は長期的な戦略について言及することすら「不可能だ」とも述べた。
ただし、外務次官はアメリカから関係正常化の提案があれば、いつでも検討する用意があると述べた。
彼はトランプ次期大統領がウクライナ侵攻終結交渉のために特使に指名したケロッグ氏のロシア訪問の可能性に関する質問に「彼の訪露日程に関する情報はない」としながらも、次のように答えた。
「ロシアと米国の関係を現在の状況から、正常な状態に戻す必要性について検討する」とし、「日程や方法は一両日中に答えを出せる問題ではない」と述べた。
「ロイター通信」によると、ケロッグ氏は来年1月初旬にウクライナの首都キーウ(キエフ)やイタリア、フランスなどを訪問する予定だという。
ロイター通信は、現時点でケロッグ氏がロシアを訪問する計画はないが、ウクライナ侵攻の早期解決を模索しており、訪問予定が急遽決まる可能性もあると伝えた。
また、経済メディア「ブルームバーグ」は情報筋の話として、ケロッグ氏はロシアから招待状を受け取れば、ロシアを訪問する可能性があると報じた。
一方、ロシアの通信社「RIAノーボスチ通信」は大統領府報道官はこの日の記者会見で、「ケロッグの訪露について、トランプ陣営と話したことはない」と述べた。