サウジアラビアは新年早々、イラン国籍の麻薬犯6人を処刑した。外国人の麻薬犯に頭を悩ませるサウジアラビアは、中国、イランに次いで世界で3番目に死刑執行件数が多い国として知られている。
昨年、サウジアラビアで処刑された外国人は129人に至る。サウジアラビア当局は処刑方法について公式には言及していないが、主に斬首が行われているとされる。
1日、サウジアラビア内務省はハシシ(濃縮大麻)を密輸したイラン人らに対する死刑をダンマームで執行したとAFP通信がサウジアラビアの国営SPA通信を引用して報道した。
中東最大の麻薬市場を抱えるサウジアラビアは、特にシリアなどの親イラン武装勢力と結びついた麻薬密輸に悩んでいる。サウジアラビアは国際社会の批判を受け、一時期麻薬犯への死刑執行を停止していたが、2022年11月に再開した。
AFPの集計によると、サウジアラビアの死刑執行件数は2022年の170件から昨年は少なくとも338件へと急増し、昨年処刑された死刑囚のうち外国人が129人、麻薬犯が117人だったという。
この日、イランの外務省は自国民の処刑が国際法違反だとして、サウジアラビア大使を召喚し、強く抗議したとされる。一方、それぞれイスラム教スンニ派・シーア派の盟主を自認するサウジアラビアとイランは、宗派対立と地域覇権争いから長年敵対関係にある。両国は2016年、サウジアラビアがシーア派の聖職者を処刑したことを機に断絶した外交関係を、中国の仲介により2023年3月に回復させた。