深刻な少子化問題に直面する中国が、その解決に向け全国規模の出産奨励キャンペーンを展開している。
25日(現地時間)、イギリスのフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、中国の地方政府は20代と30代の既婚女性に電話をかけ妊娠の計画を尋ねた後、親に現金支援を行い、2人以上の子どもを産むよう促している。
中国国家衛生健康委員会は大学に「恋愛と結婚」科目の導入を推奨し、国営メディアは出産が女性の健康に有益だとする内容を定期的に報じている。
一部の地域では、第二子出産時に奨励金支給を約束するなど、出産を後押ししている。
浙江省のある住民は「第二子出産の場合は最大10万元(約214万円)の補助金が受け取れると公務員に説明された」と語った。
中国では死亡者数が出生数を上回るなど、深刻な人口減少に直面している。
経済学者の任澤平氏は先月、メディアインタビューで「中国の人口は高齢化、少子化、低婚姻率という三つの主要な傾向に直面している」と指摘した。「子どもは減り、 高齢者は増加している。中国の高齢化の速度と規模は前例のない水準だ」と警鐘を鳴らした。
中国国務院は昨年10月、景気刺激策の一環として「出産に優しい社会」構築計画を発表するなど、出産奨励に注力している。
しかし専門家らは、出産率向上のための公式政策だけでは、若い世代に家庭を持つよう説得するのは難しいとの見方を示している。
同誌で中国の人口統計専門家である王豊教授は「中国政府の出産奨励キャンペーンは効果を上げていない」と述べ、「特に若い女性が出産のために仕事を辞めると、高い生活費だけでなく深刻な不利益も被ることになる」と指摘した。
王教授は「中国政府は歴史上最も教育を受けた今日の若い世代に子どもを産むよう説得するのに苦慮している」と分析した。