実質賃金(実収)が4か月連続で減少した。物価上昇率が賃金上昇率を上回っているためであった。
厚生労働省が9日発表した「昨年11月の労働統計調査(速報値)」によると、従業員5人以上の企業で労働者1人当たりの平均名目賃金は月30万5,832円で、前年同月比3.0%上がった。名目賃金の増加は35か月間続いた。
しかし、物価変動を考えた実収は1年前と比べて0.3%下がり、4か月連続でマイナスとなった。
実収は2022年4月以降、昨年5月まで26か月間連続で減少傾向を見せたが、6月と7月は夏のボーナス増加などにより増えた。ところが、8月から再びマイナスへと戻った。
厚生労働省は「賃金の上昇は続いているが、物価の急騰も続いている」と説明した。
日本の消費者物価指数(CPI・生鮮食品を除く)は、前年同月比、昨年11月までの2年8か月連続で目標値の2%を上回った。