仮想通貨の代表格であるビットコインが、昨年11月以来初めて一時9万ドル(約1,418万円)を下回った。
米仮想通貨取引所「コインベース」によれば、13日(現地時間)東部時間午前11時51分(西部時間午前8時51分)時点で、ビットコイン1枚当たりの価格は24時間前と比べ2.96%下落し、9万1,873ドル(約1,447万円)で取引されていた。
一時は8万9,200ドル(約1,405万円)台まで下落し、9万ドルを割り込む場面も見られたが、その後は9万ドルの水準を回復している。ビットコインが9万ドルを下回ったのは、昨年11月18日以来約2カ月ぶりのことだ。1週間前には、10万ドル(約1,575万円)の水準を行き来していたビットコインだったが、昨年12月の米雇用統計が予想を大幅に上回ったことに加え、債券の利回りが上昇したことから下落傾向を強めている。
労働市場が予想を上回る強さを維持していることから、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げペースを遅らせるだけでなく、追加利下げを中止するのではないかとの観測が広がっている。
米経済メディアCNBCは、「先週、予想以上の雇用統計を受けて債券の利回りが急騰し、トランプ次期大統領の関税計画への懸念が高まったことでドル高が進行した。これがビットコインなどのリスク資産の下落圧力をかけた」と分析している。さらに「2025年までの投資心理は楽観的で、市場は仮想通貨に好意的な議会とホワイトハウスを期待していた」と分析する一方で、「投資家は今年第1四半期に、従来の予想を超える仮想通貨市場が混乱が起こる可能性がある」と警告した。
一方、時価総額2位のイーサリアムは、一時3,000ドル(約47万3,000円)の大台を割り込み、7.30%安の3,031ドル(約48万7,000円)で取引された。ソラナとドージコインもそれぞれ6.20%、4.28%下落し、177ドル(約2.8万円)、0.32ドル(約50円)で取引されるなど、引き続き軟調な展開となった。なお、時価総額3位のリップルは比較的下落幅が小さく、1.49%安の2.48ドル(約390円)で推移している。