暗号資産(仮想通貨・コイン)の一部銘柄で、大口保有者「クジラ」による大規模な買い入れが見られた。
リップル(XRP)とドージコイン(DOGE)について、ここ2日間で約26億9,800万ドル(約4,210億円)相当の買い入れがあったと推計されている。
13日(現地時間)、仮想通貨専門メディア「デイリーホドル」によると、仮想通貨アナリストのアリ・マルティネス氏は、大口保有者が48時間以内に約10億XRPを買い入れたと報告した。
当時のXRPの平均価格を2.53ドル(約394円)だったと仮定すると、買い入れ規模は約25億4,000万ドル(約3,963億円)に達する。この大規模な買い入れは、リップル社が米証券取引委員会(SEC)との訴訟で好結果を得たことになり、市場の信頼が回復したためと見られる。
また、ドージコイン(DOGE)も大口保有者の買い対象となった。同期間に約4億7,000万DOGEが買い入れられ、これは約1億5,886万ドル(約247億円)に相当する。
両仮想通貨の買い入れ規模を合計すると、約26億9,800万ドルに達すると推定されている。
マルティネス氏はXRPのチャート分析から、この大規模な買い圧力が価格上昇を引き起こす可能性を指摘し、2.05ドル(約319円)の上昇トレンドラインと2.50ドル(約390円)のブレイクアウトポイントを主要な買い場として示した。さらに、目標価格を10ドル(約1,560円)に設定した。
ただし、仮想通貨市場全体を取り巻く環境は依然として不安定である。マルティネス氏は、過去1か月間で仮想通貨市場への資金流入が1,340億ドル(約20兆9,099億円)から680億ドル(約10兆6,110億円)へと49%も減少したと指摘している。
一般的に、大口保有者の大量買い付けは、①供給不足による価格上昇、②上昇相場前に大口保有者が情報優位性を基に買い付けたという見方、③売り注文の急速な消化による高値での約定、などを伴う。
しかし、一部の大口保有者は大規模な買い付けを通じて市場を操作することもある。一般投資家の買いを誘発し、価格を人為的に引き上げ、その後、利益確定売りを行う場合もある。
仮想通貨市場は変動性が高く、外部要因で急激な価格変動が頻繁に発生するため、大口保有者の大規模買い付けが短期的な反発に終わる可能性も否定できないと専門家は指摘している。