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2025年01月18日土曜日
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タイの首相、ボイスフィッシングの被害寸前「私も被害者になりかけた」国民に注意喚起

引用:EPA通信
引用:EPA通信

タイのペートンターン・シナワット首相が、人工知能(AI)技術を利用したボイスフィッシングの被害に遭いかけたとして注意を呼びかけた。

「バンコック・ポスト」などの現地メディアと「AFP通信」によると16日、ペートンターン首相は前日、取材陣に対し、音声複製技術で近隣国の指導者になりすました巧妙なボイスフィッシングに騙されかけたと明かした。

首相は、ある著名な外国指導者の声を模した音声メッセージを受け取ったという。内容は「お会いできるのを楽しみにしており、一緒に仕事をしたい」というものだった。

ペートンターン首相はこれに対し、メッセージで「了解した」と返信し、「後ほど再度連絡する」という返事を受け取った。

その後、首相は早めに就寝したため夜11時頃にかかってきた電話に出られず、翌日、電話に出られなかったことを謝罪するメッセージを送った。

すると相手は、「タイはまだ寄付をしていないASEAN(東南アジア諸国連合)唯一の国だ」として寄付を要請してきた。

ペートンターン首相は寄付の要請に驚き、疑念を抱いた。相手が送ってきた銀行口座番号が第三国のものだと確認して初めて詐欺だと確信したという。

首相は、詐欺師が偽装した外国指導者の身元については明かさなかった。

ペートンターン首相は「私も被害者になりかけたことを皆に知らせ、警告したい」と述べ、「詐欺がますます巧妙化していることを認識しなければならない」と強調した。

近年、AI技術の発展に伴い、音声を複製したり偽の音声を生成したりするディープボイスや、実在の人物そっくりの映像を作成するディープフェイクを使った犯罪が増加している。

ペートンターン首相はデジタル経済社会省にこの事件の対応を要請した。

昨年37歳でタイ史上最年少首相となったペートンターン氏は、通信財閥出身のタクシン・シナワット元首相の末娘である。

ペートンターン首相は今月初め、タイ国家汚職防止委員会(NACC)に138億4,000万バーツ(約625億713万円)の資産を申告した。

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