ホーム ニュース 「自宅ロックダウン刑」が現実に?コロナ禍の教訓を活かし、イギリスが描く新たな受刑システム

「自宅ロックダウン刑」が現実に?コロナ禍の教訓を活かし、イギリスが描く新たな受刑システム

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イギリスで非暴力犯罪者の社会復帰を促進し、刑務所の過密問題を解決する手段として、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時の「ロックダウン政策」を導入しようという法曹界からの提案が出された。

英紙「ガーディアン」は19日(現地時間)、イングランド・ウェールズ弁護士協会は当局に「処罰の創造的活用」に関する意見書を提出したと報じた。協会はまず、軽犯罪者や財産犯などの非暴力犯罪者を対象に強化された「自宅拘禁」措置の導入を提案した。

意見書では「拘禁の直接的な代替手段として、20時間の外出禁止をより多く活用すれば様々な利点がある」とし、「コロナ禍のロックダウン期間に適用されたものと類似の制限が処罰措置として導入される可能性がある」と主張。この手段により、犯罪者を刑務所に収容せずとも「相当な自由の制限」効果が得られると付け加えた。

協会はさらに、政府がスウェーデンの事例を参考に「時間制刑務所」を導入すべきだと提言した。スウェーデンでは、受刑者が最短数時間から最長数日まで、家族訪問や教育課程の履修、就職活動のために一時的に釈放される制度がある。協会は「低リスク犯罪者向けの時間制刑務所を設計すれば、彼らが釈放の準備をする間に就労、訓練、家族関係の維持が可能になる」と説明した。

意見書の作成に関与した弁護士、ミシェル・ヒリー氏は英紙「オブザーバー」のインタビューで「受刑者数は着実に増加しているが、犯罪率は減少せず、再犯率は上昇している」と指摘。「人々をより長期間刑務所に収容することが、想定ほどの犯罪抑止効果を持たないことが明らかになった」と述べた。さらに「政府が刑務所に受刑者をこれ以上収容できないのが現状だ。人々の自由を制限し処罰するには、より創造的な対応が必要だ」と強調した。

イングランドとウェールズの刑務所は、男性受刑者の場合、2023年から継続的に収容能力の99%を超え、事実上飽和状態に陥っている。これを受け、イギリス政府は昨年から一部の受刑者の早期釈放を開始した。

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