北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長がロシアのウクライナ侵攻に派兵された北朝鮮軍に送った新年のメッセージが20日に公開された。ウクライナ軍との戦闘を「尊い経験」と称し、激励する内容だ。
海外メディアは19日（現地時間）、ロシア西部戦線のクルスク州で戦死した北朝鮮軍兵士の所持品から金委員長の手紙が見つかったと報じた。
金委員長は手紙で「海外作戦地域で軍事任務を遂行している勇猛な我が軍に新年の挨拶を送る」と記した。
さらに「胸が痛む犠牲と貴重な戦闘勝利の喜び、尊い戦闘経験、真の同志愛と愛国心の貴重な感情をすべて祖国から遠く離れた場所で経験した」と述べ、「与えられた軍事任務を勝利で締めくくるその日まで、皆が健康でさらに勇気を持って戦ってほしい」と激励した。
昨年12月31日付で「金正恩」という署名で締めくくられた手紙は、青いボールペンで書かれた手書きであることから、指揮官が代読した金委員長のメッセージを書き写したものとみられる。
北朝鮮とロシアは未だに北朝鮮軍の派兵事実を否定している。当人の北朝鮮軍兵士たちさえ、訓練だと伝えられたまま派兵されている。これは戦死または捕虜となった北朝鮮軍兵士が全て偽造されたロシア軍の身分証を所持していた点や、北朝鮮軍捕虜の証言から明らかになった。
このような状況下で金委員長の手紙が発見された。公式に認めることもできず、北朝鮮軍に派兵という事実を知らせることもできないにもかかわらず、戦闘に参加するよう促している。
