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ヨーロッパの銀行業界、トランプ大統領の就任に合わせてNZBAからの脱退を検討!規制対応に影響

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引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

ヨーロッパの銀行業界が、ドナルド・トランプ米大統領の就任に合わせて「足並みを揃える」動きを見せている。アメリカに続き、ヨーロッパの銀行もカーボンニュートラルのための銀行連合体からの脱退を検討し、イギリスは、トランプ大統領の銀行規制緩和に備え、規制導入を遅らせた。

○NZBA脱退を検討する各国銀行

19日(現地時間)、「フィナンシャル・タイムズ(FT)」は関係者の発言を引用し、「ヨーロッパ最大手の銀行がネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)からの脱退を検討している」と報じた。

NZBAは、2050年までにカーボンニュートラルを達成するために結成された銀行間の連合体だ。NZBAは、化石燃料産業への金融支援を縮小するため、銀行に石油・ガス投資情報の公開と金融排出量(金融機関の投資・融資が間接的に寄与した炭素排出量)削減目標の開示を義務付けている。

かつて、140以上の銀行が参加していたNZBAは、昨年末から急速に勢いを失っている。ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BoA)、JPモルガン・チェースなど、米大手銀行が昨年11月のトランプ大統領当選後、相次いで脱退したためだ。

さらに17日にはTD銀行、モントリオール銀行、ナショナル・バンク・オブ・カナダ、カナダ・インペリアル商業銀行など、カナダの4銀行が脱退を宣言した。

米大手銀行がNZBAを脱退する背景には、トランプ大統領および共和党の反ESG(環境・社会・ガバナンス)攻撃を回避する意図があるとの分析が出ている。

米最大の原油生産地であるテキサス州は、2023年10月から石油・ガス産業をボイコットする一部の銀行に対し、地方債発行を禁止し、州管轄下の年金基金からの投資を阻止すると警告した。

アメリカ以上に気候変動対策に積極的なヨーロッパの銀行までもが脱退すれば、NZBAは事実上解体の道を歩むことになりそうだ。NZBA関係者は、「一部の銀行は、カーボンニュートラル資産運用者イニシアティブ(NZAMI)と同じ方向にNZBAが進まない場合、脱退手続きを開始する立場だ」と述べた。

資産運用会社間のカーボンニュートラル連合体であるNZAMIは、今月9日に世界最大の資産運用会社ブラックロックが脱退を宣言した後、4日後に目標実行および報告手続きの中止を発表した。

○イギリス、バーゼルIII最終案の施行を延期

イングランド銀行(BOE)は17日、来年1月に予定されていた「バーゼルIII最終案(バーゼル3.1)」の施行を1年延期すると発表した。

BOEは「現在のアメリカにおけるバーゼルIII最終案の施行時期に関する不確実性や(イギリス商業銀行の)競争力および成長性を考慮し、イギリス財務省と協議した結果、規則の施行を遅らせることを決定した」と説明した。

バーゼル銀行監督委員会が2017年に公表したバーゼルIII最終案は、銀行の自己資本比率を計算する際に適用する信用リスクの算出方法を改編する内容を主旨としている。

米連邦預金保険公社(FDIC)などが2023年に提示した案によると、バーゼルIII最終案を適用した場合、米大手銀行の資本要件は従来比19%増加する。大手銀行が収益性の低下を懸念して反発したため、FDICは資本要件の引き上げ幅を9%に抑えた妥協案を提案した。

ウォール街では、トランプ大統領がバーゼルIII最終案を撤廃または大幅に緩和された案を提示するとの見方が強まっている。ロイター通信は、大手銀行幹部の発言を引用し、「大幅に緩和されたバーゼルIII最終案の資本規制を確定し、銀行の経済ショックに対する耐性を評価する米連邦準備制度理事会(FRB)のストレステストを改革することが銀行業界の目標だ」と伝えた。

規制強硬派であるFRB金融監督担当副議長のマイケル・バー氏は、6日に副議長職を辞任した。

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