新年の幕開けとともに、中国各地のオフライン商圏や観光地が人気を集めている。中国全土の消費市場は活気を増し、特にオフライン商圏の盛況ぶりは消費の「緩やかな回復」を示していると評価されている。
中国国家情報センターが主要都市の代表的商圏の人流データを基に分析したところ、昨年のオフライン消費温度指数は前年比7%増加した。特に電子商取引プラットフォームのデータを基に算出した生活サービス消費温度指数は17.7%拡大した。
昨年の中国の消費は、「以旧換新(都市部の消費者を対象に、製品を買い替えた際に補助金を支給する施策)」など様々な景気刺激策に後押しされ、顕著な増加を示した。中国国家統計局によると、2024年の社会消費財小売総額は48兆7,900億元(約1,046兆5,904億円)で、前年比3.5%増となった。特に「夜間経済」が消費を牽引する重要な役割を果たしている。
中国商務部が発表した「都市住民の消費習慣調査報告書」によると、約60%の消費が夜間に発生していることが明らかになった。中国観光研究院の報告書によれば、中国の夜間観光需要は着実に増加しており、昨年の関連消費規模は約1兆9,100億元(約40兆9,858億円)に達すると予想されている。
夜間観光イベントは浙江省(セッコウ省)杭州市(コウシュウ市)の西湖や陝西省(センセイ省)西安市(セイアン市)など各地で次々と開催されている。上海では「モダンナイトバス」の運行が注目を集めた。文化、商業、観光が深く融合することで、消費に新たな活力をもたらしている。
オフライン商圏も次々と「デジタル化の波」に乗り始めている。杭州市湖濱街道にはメタバース消費シナリオ「濱次元」が構築され、24時間止まることのない没入型消費体験を提供している。北京西単の複数のショッピングモールは「クラウド店舗」を開設し、売上を全域に拡大している。上海南京路歩行者天国はスマート商圏プラットフォームを通じて、オンライン・オフライン協調発展の新たなビジネスエコシステムを形成した。
中国当局は年初から内需拡大と消費促進のための政策を着実に推進している。「小売業革新向上プロジェクト実施方案」や「一店舗一政策」により、既存の商業施設の改装とアップグレードを進めている。何詠前商務部報道官は「新型消費を育成・拡大し、特に『ローンチ経済』推進のための政策を迅速に発表する」と述べた。さらに「冬季スポーツ経済とシルバー経済を発展させ、デジタル消費、グリーン消費、ヘルスケア消費を促進していく」と強調した。