ロシアは少子化対策の一環として、出産した大学生への支援金を大幅に増額することを決定した。
「タス通信」などによると、23日(現地時間)、アントン・コチャコフ労働・社会保障相は「大学、専門学校、大学院に通う女子学生に支給される出産支援金を増額する法案を準備した」と述べ、「今春、下院(国家ドゥーマ)に提出する予定だ」と伝えた。
この法案では、出産した学生への支援金を母親が居住する地域の労働者生活賃金の100%水準に引き上げる内容が盛り込まれている。例えば、リペツク州とタンボフ州の大学生や大学院生が出産すると7万4,867ルーブル(約11万6,420円)が、極東のチュコトカ自治管区では23万5,424ルーブル(約370,000円)が支給される。平均支援金は9万202ルーブル(約14万266円)となる。
現在ロシアでは出産した女子大学生が奨学金として9,333ルーブル(約1万4,513円)から2万3,333ルーブル(約3万6,283円)を受け取っていることを考えると、最大で10倍程度の増額となる。
これはウラジーミル・プーチン大統領が先月主催した「家族の年」に関する国務会議で、女子大学生や大学院生への出産手当増額を指示したことを受けた措置だ。
プーチン大統領は当時、早期に出産を望む若者たちの希望を支援する必要性を強調した。初産の平均年齢である28〜29歳の女性は、職場復帰と職業能力向上を望むため、第二子を産む時間的余裕がないと指摘した。そのうえで、学生である未来の母親に特別な配慮が必要だと話した。
プーチン大統領はこの日の政府会議でも、人口問題がロシアにとって最も重要な課題であると強調した。ロシアの現地紙「イズベスチヤ」は、専門家の見解として初産に適した年齢は24歳までとする意見も紹介した。
この法案について、ロシア科学アカデミー経済戦略研究所人口統計センターのオルガ・ゾロタリョワ氏は「出生率向上だけでなく、近年の母親の高齢化傾向を転換させる可能性がある」と指摘した。
ロシア金融大学のオルガ・ジルチョワ教授は「経済的に不安定な若い女性が妊娠を継続する決断を後押しする重要な役割を果たす可能性がある」とし、「学生の母親とその子どもにより良い環境を提供できるだろう」と評価した。