
最近、IT業界で「アルファ碁の父」として知られるGoogleディープマインドCEOのデミス・ハサビス氏が、フランス・パリで開催されたグーグルのイベントで、ディープシークについて「科学的進展が見られなかった」と評価した。
Metaの副社長兼AI主席科学者のヤン・ルカン氏もフランスメディアとのインタビューで、ディープシークがAI世界を揺るがすかという質問に「そうではない」と答え、技術論文を通じてディープシークの技術を再現できたと明かした。
Metaはディープシークの衝撃後、AI部門に「ウォールーム」4つを設置し、R1技術の分析に注力した。一方、OpenAIのCEOサム・アルトマンは当初R1を肯定的に評価していたが、最近では「R1の性能に新規性はない」と態度を変えた。
彼はまた、オープンソース戦略への懸念を表明し、AIが権威主義政権によって国民統制に利用される可能性を警告した。
これに対し、マイクロソフトのCEOサティア・ナデラ氏とAppleのCEOティム・クック氏はディープシークR1を「真のイノベーション」と評価した。
マイクロソフトは対外的にデータの無断収集調査などを理由にディープシークを牽制しつつ、社内の開発者プラットフォームにはR1を搭載する戦略を取っている。
Dropboxの副社長モーガン・ブラウン氏はR1の「マルチトークン予測システム」と「専門家混合アーキテクチャ」を絶賛し、全てがオープンソースである点を強調した。
AI企業のCEOたちがディープシーク牽制で足並みを揃えたのは、アメリカが独占してきたAI技術の覇権が揺らぐ可能性への懸念が背景にあるとの分析がある。

オープンソース戦略と大規模AI投資の正当性が揺らいだ点も反感を強めたとの見方もある。
業界関係者は、アメリカのビッグテック企業が多額の費用をかけて開発したAI技術を、ディープシークが蒸留という手法で学習し、高性能AIを実現できたのではないかという疑念が高まっていると伝えた。
アマゾン、マイクロソフト、Google、Metaなどは今年、AIインフラ構築に3200億ドル(約48兆5678億円)を投資する予定だ。