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ドナルド・トランプ米大統領が、ガザ地区のパレスチナ人をエジプトなどに移住させる停戦構想を打ち出し、エジプトが緊張している。戦争の火種がエジプトに飛び火する可能性があるためだ。
BBCは14日(現地時間)、トランプ大統領が200万人以上のガザ地区の住民を隣国のエジプトやヨルダンなどに移住させる構想を繰り返し強調したことで、エジプト国民に危機感が広がっていると伝えた。同日、エジプトの首都カイロのモスクで行われた金曜礼拝に集まった市民らは、トランプ大統領の構想を厳しく批判した。
土木技術者のアブドさんは「戦線が我が国に移ることになる」と述べ、「イスラエル軍とパレスチナ抵抗勢力は永遠の敵対関係にあり、両者の間に平和はない。これはイスラエルが正当防衛を口実に我が国を攻撃する機会を与えることになる」と非難した。
国民の不安を考慮し、エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領はトランプ大統領との会談を無期限延期するなど、不満の意を示している。エジプト政府は包括的なガザ地区再建構想を提示する方針を表明している。