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韓国の済州島は年間1,300万人以上の観光客が訪れる韓国の人気観光地だが、それに伴い外国人犯罪の問題が深刻化している。
キム・スヨン済州警察庁長は最近の記者会見で「韓国人による犯罪率は減少したが、外国人、特に中国人による凶悪犯罪が増加している」と明かした。これは済州が「犯罪発生率の全国1位」という汚名を払拭するため、警察官の増員などの対策が急務だとの声が高まっている理由だ。
過去6年間に済州で検挙された外国人容疑者は計3,525人で、年間約600人が逮捕されており、そのうち66.75%が中国籍だ。
犯罪の種類別では交通違反が最多で、暴力、知能犯罪、窃盗などが続いている。特に今年に入り、済州市内のホテルで仮想通貨の両替に絡む特殊強盗及び殺人事件が発生し、懸念が広がっている。
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ビザなし入国制度の悪用、犯罪の抜け穴に
ビザなし入国制度を悪用して済州に入国し、犯行後に逃亡するケースが増加しており、犯罪の抜け穴になっているとの指摘もある。これに対しキム庁長は「外国人による犯罪が多発している地域での予防パトロールを強化するが、外国人自警団の運営など自主的な警戒も重要だ」と強調した。
済州の警察官1人当たりの担当住民数は324人だが、年間1,300万人の観光客を考慮すると、実際の警察需要はさらに大きいと推測される。
キム庁長は「済州地域の国家警察の増員が必要だ」とし、「ホテルやカジノなどで常時パトロールできる現実的な対策の整備が必要」と述べた。これを受け、専門家らは済州島の治安強化に向けて様々な提言を行っている。