
アメリカの金利政策に対する不確実性が高まる中、リスク回避の姿勢が広がっている。さらに大規模なハッキング事件も重なり、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)市場は弱気相場となっている。アナリストらは、流動性の低下により市場のボラティリティが高まる可能性があると警告している。
4日の業界情報によると、世界最大級の仮想通貨取引所の一つであるバイビットが約2兆ウォン(約2,061億5,368万円)規模のハッキング被害を受け、仮想通貨への投資意欲が冷え込んでいる。
仮想通貨データ分析企業のカイコは「バイビットのハッカーは世界で14番目に多くのイーサリアムを保有する大口投資家となった」と指摘した。「大量の資金が単一の集団に集中することで、イーサリアムの中期的な見通しや機関投資家の需要に悪影響を及ぼす可能性が高まった」と分析している。
仮想通貨取引所「アップビット」によると、アルトコインの主要銘柄であるイーサリアムは、今回のハッキング事件以降、400万ウォン(約41万2,307円)下落し、315万ウォン(約32万4,417円)まで値を下げた。同期間中、ソラナは27%、XRPは24%下落した。
仮想通貨データ分析会社のサンティメントは「ビットコインが重要な支持線である8万6,000ドル(約1,285万6,998円)を下回った後、投資家心理も事実上底を打っている。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナは極端な弱気心理を示している」と予測した。
さらに「歴史的に見ると、市場はFUD(恐怖・不確実性・疑念)と共に投げ売りが広がり、株を手放す降伏心理が浸透した時に底を形成することが多かった」と付け加えた。
一方、仮想通貨デリバティブ市場では、最悪の状況は過ぎ去ったとの見方が強まっている。カイコは「ハッキングのニュースにデリバティブトレーダーが敏感に反応し、仮想通貨市場の短期的なボラティリティは急増した」としながらも、「現在、長期満期オプションのインプライド・ボラティリティ(IV)は通常の水準に戻っている。これはトレーダーたちが最悪の状況は過ぎ去ったと判断していることを示唆している」と予測している。
このハッキング事件は先月初めのトランプ関税問題による市場の混乱よりも影響は小さかったものの、はるかに短期間で発生したため、大きな衝撃を与えたとの見方もある。
最近の仮想通貨市場は流動性が低下しており、マクロ経済の動向がより重要な変数となっているとの分析も出ている。
グローバルな仮想資産取引所ビットフィネックスは週次研究報告書で「最近、機関投資家の買い意欲は急激に減少している。仮想通貨ETFやレバレッジ取引も減少し、全体的な流動性が低下している」と指摘した。そして「仮想通貨市場は伝統的金融市場との連動性が顕著になっている。市場の主要な動きはマクロ経済の流れに応じて決定される可能性が高い」と予測している。
一方、ドナルド・トランプ大統領がビットコインだけでなく、イーサリアム、XRP(旧リップル)、ソラナ、カルダノ(エイダ)などのアルトコインも備蓄資産に含める意向を示したことで、アルトコイン価格の変動性も拡大している。