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2024年11月23日土曜日
ホームニュース日系金融大手も莫大な被害を受けたウォール街を震撼させた巨額損失事件…韓国系アメリカ人の被告に有罪評決

日系金融大手も莫大な被害を受けたウォール街を震撼させた巨額損失事件…韓国系アメリカ人の被告に有罪評決

前代未聞の巨額損失事件を起こし、グローバル金融業界を大きな混乱に陥れた、2021年に経営破綻したアメリカの投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの創業者で詐欺罪などにより起訴された韓国系アメリカ人のビル・フアン被告(韓国名ファン・ソングク)(60歳)に対し、有罪評決が下された。

「The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」などによると、ニューヨーク州南部地区(マンハッタン)連邦地裁の陪審員は、フアン被告の11件の罪状のうち10件に有罪の評決を下した。

また、アルケゴスの幹部でともに起訴されたパトリック・ハリガン被告(47歳)も、詐欺や恐喝など起訴された3件の罪状についてすべて有罪評決を受けた。

この巨額損失事件はそもそもファミリーオフィス(個人資産運用会社)であるアルケゴスの運用破綻によるもので、アルケゴスは高いレバレッジ(借入)を掛けた株式取引を行い、手法としてはTRS(トータル・リターン・スワップ)を用いていたとみられる。TRSとは手数料と引き換えに、株式などの原資産を直接持たずとも、そのリターンに基づく収入を得られる手法のことだ。

2021年3月24日、「バイアコムCBS」が30億ドル(約4,735億円)規模の増資を発表したのを受け、同社の株価は10%下落した。実質的な筆頭株主であったアルケゴスには巨額の追加担保を差し入れる必要が生じたが、必要額を差し入れることができずに、その結果、債務不履行に陥り、担保の処分とポジションの解消が行われて、グローバル投資銀行がアルケゴスの資産の処分に動き、保有資産が投げ売りされる形となって破綻するに至った。

ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは他社に先立ち、これまでにない規模のブロックディールで売却し、損失を最小限に抑えたが、クレディ・スイスや日本でも、野村HD、三菱UFJ証券HD、みずほFGなどで巨額損失が発生し、この事件の合計損失額は100億ドル(約1兆5,785億円)に達するともいわれている。

連邦地裁は不正利得に関する共謀で1件、詐欺で3件、相場操縦で7件の容疑を受けているフアン被告、ならびにハリガン被告の量刑を10月28日に言い渡すとしている。

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