韓国では、今後、土地や建物を所有せず使用権のみあればシルバータウン（有料老人ホーム）の設立が可能になる。政府は様々な形態の高齢者向け住宅を供給するために、設立・運営・資金など供給部門の規制を緩和する方針を示した。
韓国政府は23日午前、経済関係閣僚会議で関係省庁合同の「シニア・レジデンス活性化策」を発表した。
シニア・レジデンスとは、高齢者福祉住宅、シルバーステイ、シルバータウンなど、高齢者向けの居住空間を包括する意味であり、法的な定義がある概念ではない。政府によると、昨年までにシルバータウンは9600世帯、高齢者福祉住宅は3956世帯が供給された。
政府は土地や建物の使用権のみでシルバータウンを設立・運営できるように関連規定を改正する。日本の「SOMPOケア」のように、使用権を基にサービスのみを提供する専門事業者を育成するための支援根拠と事業者要件も整備する計画である。
また、新しい分譲型シルバータウンを人口減少地域の89か所に導入する。事業者の運営責任を強化するために、一定の割合以上の賃貸型を義務的に含めるようにし、投機需要の遮断と不法転用防止のために一般住宅と同じ建築許可・管理基準を適用する方針を検討している。
中心市街地は需要が高いが用地供給が難しいことを考慮し、遊休施設や遊休国有地をシニア・レジデンスに転用できるよう支援する。都心部の大学施設、廃校、宿泊施設、単身者向け居住施設などをシニア・レジデンスに転換、活用できるよう、用途変更や容積率の緩和を促す。
現在、釜山（プサン）の東明大学、光州（クワンジュ）の朝鮮大学などが学校の遊休地内で教育と医療システムを組み合わせたシニア・レジデンス事業を検討中である。
また、民間からの資金調達を支援するために、今年下半期中に1人当たりの株式所有限度などの参入規制を緩和したプロジェクト、リート（REIT）も導入される予定である。
公共支援を通じて合理的な価格で利用できる民間賃貸住宅であるシルバーステイも今年下半期に試験事業を開始し、60歳以上の所有住宅を持つ高齢者も入居できるよう対象範囲を拡大する計画である。
低所得者層向けの高齢者福祉住宅供給も拡大される。現行の建設賃貸1000戸に老朽化した賃貸住宅のリフォーム・購入賃貸を2000戸追加し、毎年3000戸を供給する計画である。
入居者保護と選択権の保障のために標準契約書と品質認証制度を導入する。政府は施設の現状や利用料などに関する情報公開システムを構築する計画である。
チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官は「高齢者に優しい居住空間と家事・健康・余暇サービスが結合したシニア・レジデンスの供給を積極的に拡大する」と述べた。