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イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、リップル(XRP)など主要アルトコインが軒並み下落し、投資家の不安が高まっている。
世界的なマクロ経済要因と大規模な清算(liquidation)が重なり、市場のボラティリティがさらに拡大している。
仮想通貨専門メディア「コインゲイプ」は19日(現地時間)にこうした市場状況を分析・報告した。
ビットコイン価格は同日の取引中、一時9万3,000ドル(約1,398万円)まで下落し、24時間で1%以上の下落を記録した。
コイングラスのデータによると、同期間にビットコイン市場では約1億46万ドル(約151億461万円)規模の清算が発生。しかし、ビットコインの市場占有率は60.3%と前日比0.47ポイント上昇しており、相対的にアルトコインがより大きな打撃を受けたことがわかる。
イーサリアム市場では約5,084万ドル(約76億4,713万円)規模の清算が発生したが、市場占有率は10.3%を維持した。
リップルは取引中に2.47ドル(約372円)まで下落し、最高値は2.66ドル(約400円)。リップル市場でも1,151万ドル(約17億3,128万円)規模の清算が発生した。
ただし、米証券取引委員会(SEC)がビットワイズ(Bitwise)のXRP上場投資信託(ETF)を正式に承認したことにより、今後の上昇可能性に期待が残っている。
ソラナは取引中に最安値161.31ドル(約2万4,264円)、最高値177.94ドル(約2万6,765円)を記録。ソラナ市場では3,677万ドル(約55億2,853万円)の清算が発生し、市場の不安定性がさらに増した。
一方で、一部の仮想通貨は市場全体の下落傾向に逆らう形で上昇した。
メイカー(MKR)は24時間で12%上昇し、1,186.27ドル(約17万8,360円)を記録。
今回の下落傾向は世界金融市場の不確実性と連動している。ドナルド・トランプ米大統領が新たな輸入関税の検討を示唆したとの報道を受け、世界金融市場全体が萎縮。リスク資産選好の低下により、仮想通貨市場も大きな打撃を受けた。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な金融政策姿勢も影響を及ぼしている。市場では今年、FRBが金利を1回のみ引き下げると予想されており、これは仮想通貨市場にとって不利な要因となっている。コイングラスのデータによると、過去24時間で仮想通貨市場全体で3億4,888万ドル(約524億5,565万円)規模の清算が発生した。
こうした市場のボラティリティにもかかわらず、投資家らは今後の反発可能性に注目している。ビットコイン価格は一時9万3,000ドル(約1,398万2,962円)まで下落したが、その後9万5,000ドル(約1,428万1,830円)まで回復した。
類似の事例として、2022年6月にもFRBの利上げと世界経済の不確実性により、ビットコイン価格が1万7,000ドル(約255万5,696円)まで急落したことがある。当時も大規模な清算が発生し市場が萎縮したが、その後数カ月で力強い反発が見られた。
現在、仮想通貨市場はマクロ経済要因と大規模な清算により高いボラティリティを示している。
専門家らは投資家に対し短期的な変動に注意しつつ、長期的な市場動向を慎重に分析する必要があると助言している。