外反母趾の手術を受けると会社に嘘をついて病暇を取った女性が「解雇」という重すぎる代償を支払うことになった。
29日(現地時間)、イギリスの日刊紙「デイリー・メール」によると、スペインの無名歌手ヴィリヤ・クルスは、嘘をついて取得した病暇期間中に激しいパフォーマンスのミュージックビデオを撮影していたことが明らかになり、勤務先に解雇されたという。
スペインのラス・パルマスにある映像・音響制作会社でアシスタントとして勤務するクルスは、アルバムをリリースしたこともある無名歌手だ。
2023年6月、彼女はYouTubeチャンネルを通じ、ビヨンセに影響を受けて制作された2枚目のシングル「No Doy Tanto Miedo(スペイン語原題訳:そんなに怖くないって)」のミュージックビデオを公開した。
ミュージックビデオの中では高いヒールをものともせず、激しいダンスを踊るなど、優れたパフォーマンス技術を披露したが、これが逆に仇となった。
クルスはミュージックビデオを撮影する際、親指の外反母趾手術を受けるといって、手術後も10ヶ月間にわたり会社を休んでおり、その期間にミュージックビデオを制作したのだ。
偶然にも会社の代表がInstagramのリールで、彼女が性的マイノリティに対する差別や偏見に反対し、多様性を認めるためのイベント「マドリード・プライドウィーク」でパフォーマンスしている姿を目にし、彼女の足の状態を疑い始めた。
その後、クルスのSNSで彼女が実際に足を自由自在に動かす動画を見た代表は彼女を解雇した。
しかし、クルスは不当解雇だとして会社を相手取って訴訟を起こしたというのだ。
クルスの代理人を務める弁護士は、現地スペインメディアとのインタビューで「彼女は決して故意に雇用主を欺いたわけではない」と主張した。
しかし、カナリア諸島の高等裁判所は会社側に彼女を解雇する権利があると判決を下した。
裁判所は「ハイヒールを履いてダンスをしたり、ジャンプしたりするような動きは、病暇期間が必要な足の状態とはいえない」と判決理由を述べた。
しかし、この騒動が拡散されると、問題となったクルスのミュージックビデオの再生回数は急増し、コメントも殺到した。
ネットユーザーたちは「パフォーマンスを見ると足が痛そうには見えない」、「解雇されたのだから、今後は歌手活動だけしていればいい」、「無名歌手としての活動にそもそも、どれほどの価値があるのか」といった反応を残した。