米電気自動車メーカー「テスラ」がピックアップトラック「サイバートラック」の一部車両で走行中に駆動力を失って停止する欠陥が確認され自主リコールを行う。
13日(現地時間)、米道路交通安全局(NHTSA)の発表によると、テスラはサイバートラックのインバーター部品の欠陥より推進力が失われる可能性があると、2023年11月6日から2024年7月30日までに生産された一部車両をリコールすることを決定した。
NHTSAは、インバーターがトルクを生成できない場合、運転者がアクセルペダルを踏んでも車両にトルクが伝わらず、推進力を失い急停止し衝突リスクが高まる可能性があると説明した。
リコール対象車両は、ドライブインバーターに「MOSFET」と呼ばれる不良部品が搭載された製品で全生産台数の約1%に当たる2,431台である。
テスラのリコール報告書によると、同社は2023年8月にサイバートラックの急停止に関する顧客からの苦情を受け調査を開始し、先月MOSFET部品を搭載したドライブインバーターに問題があることを確認した。
テスラは先月末時点で、この問題に関連する5件の報告を確認したが、これによる衝突事故や死傷者は報告されていないとしている。
ブルームバーグ通信や米紙ニューヨーク・タイムズなど米メディアは、テスラが2023年11月末にサイバートラックの顧客への引き渡しを開始してから1年も経たず、今回を含め計6回のリコールを実施したと報じている。
これに先立ちテスラは先月、後方カメラ映像が表示遅延する問題で約27,000台のサイバートラックをリコールし、6月にはフロントガラスワイパーと荷台トリム部品の欠陥を理由に約22,000台をリコールした。4月には、アクセルペダルが内装トリムに引っかかる可能性があると約3,900台をリコールしている。