イギリスでタトゥーを入れた女性が、深刻な感染症に苦しむ事態が報じられた。デイリーメール(Daily Mail)によると、イギリス在住のカースティ・グリフィス(34歳)は、10月にトルコで休暇中にタトゥーを施術され、その後蜂窩織炎(Cellulitis)を発症した。彼女はホテル内のタトゥーショップで右足首に花のデザインを入れるため、130ポンド(約2万5,500円)を支払った。この施術は、既存のタトゥーを新しいバラのデザインで覆うためだった。
しかし、施術からわずか2日も経たないうちに問題が発生した。翌日、カースティの脚は2倍に腫れ上がって赤く変色し、水ぶくれができた。病院で診断を受けた結果、蜂窩織炎と判明された。この病気は、迅速な抗生物質治療が必要で、放置すれば組織の壊死や全身感染を引き起こし、致命的な敗血症につながる可能性があると判断した。
症状はさらに悪化した。帰国の飛行機内では腫れと痛みが激しく、彼女は「人生最悪の4時間だった」と語った。英国到着後、空港からそのまま病院に搬送され、追加検査の結果、胃と胆嚢にも細菌感染が広がっていることが判明した。
カースティは「毎晩痛みに耐えきれず泣き叫んだ」と述べ、モルヒネの注射を受けてもなお痛みが続いたという。また、2人の外科医が治療に訪れ、そのうちの1人は「状態が改善しなければ足を切断する必要がある」と告げたと振り返った。
幸い、約4日間の入院治療を経て感染は改善した。しかし、タトゥーの施術部位には依然として痛みがあり、歩行が困難な状態が続いている。カースティは「治療を受けたにもかかわらず、足首のかゆみと痛みが続いている」と話し、「タトゥー部分はかさぶたができて黒く変色した」と述べた。さらに、「ホテル内のタトゥーショップだから信頼できると思っていたが、こうした副作用が起きた。海外でタトゥーを考えている人は、施術者について十分に調べてほしい」と警告している。
蜂窩織炎は、皮膚表面から始まる細菌感染で、感染部位の細菌が皮膚下の組織(真皮)、脂肪層、筋肉へと広がる。主に感染部の皮膚が赤く腫れ、痛みを伴う。また、発熱、頭痛、筋肉痛、悪寒などの症状も現れる。
治療には主に抗生物質が用いられるが、治療が遅れると感染部の組織が壊死する恐れがある。感染が全身に広がると敗血症を引き起こし、高熱、低血圧、昏睡状態などの症状を引き起こす可能性がある。