アメリカ・シカゴ南部に住む50歳の男性、ヴァマー・ハンター氏が、10年間通い続けたパン屋の店主が幼少期に別れた実母がだったと知り、大きな話題となっている。
9日（現地時間）、米国ABCニュースが報じたところによると、2022年春、ヴァマー氏が愛してやまないパン屋「ギブ・ミー・サム・シュガー」の店主、レノア・リンジーさんから突然電話がかかってきた。その内容は驚くべきもので、「私があなたの実の母親だ」という告白だった。
ヴァマーさんが自分が養子だと知ったのは35歳のときだった。それから15年後の2022年、DNA系譜学者ガブリエラ・バルガスさんに依頼し、実母を探すことを決意した。調査の結果、ヴァマーさんのDNAと家系図をもとにレノアさんが実母であることが判明した。
バルガスさんの支援のもと二人は電話で再会した。ヴァマーさんは「10年間あなたのパン屋に通っていました」と伝え、二人は感動と驚きで涙を流したという。
レノアさんは17歳のときにヴァマーさんを出産したが、育てる余裕がなく養子に出したと語った。再会から間もない2022年6月、レノアさんは脳卒中で倒れたため、ヴァマーさんは母親を助けるためパン屋を手伝うことを決意した。夜勤をこなしながら働き続け、最終的には本業を辞めてパン屋を引き継ぐ道を選んだ。
現在、ヴァマーさんは異父妹レイチェルさん（40）と共にパン屋を運営し、親子の絆を深めている。
ヴァマーさんはABCのインタビューで「母と過ごす時間がとても好きだ。母の日はいつも辛い日々だった。実母と、自分の居場所を常に探していた。それが私に欠けていた部分だったからだ」とし、「この再会は母と私を大きく変えた。今は日々を心から楽しんでいる。（パン職人としての生活は）私にとって大きな癒しだ」と述べた。
ヴァマーさんにとって、実母との奇跡的な出会いは、人生を変える出来事だった。レノアさんも、息子との再会が大きな喜びだったと笑顔を見せた。
二人の感動的なエピソードはネット上でも大きな反響を呼び、「パン屋に行ってみたい」、「母と息子、顔がそっくりだ」、「母親に再会できただけでなく、仕事まで手に入れるなんて」、「本当に心温まる話だ」などのコメントが寄せられている。