エクアドルの裁判所が劣悪な労働環境を放置したとして、日本の繊維会社「古川拓殖」に対し、約63億円の賠償を命じる判決を下した。
14日(現地時間)、AFP通信によると、エクアドル憲法裁判所は、日本の繊維会社である古川拓殖に対し、労働者342人それぞれに12万ドル(約1,800万円)、合計4,100万ドル(約63億円)を支払うよう命じた。また、裁判所は古川拓殖に対して労働者への公開謝罪も命じた。
裁判所の判決によれば、古川拓殖の労働者は不衛生で過密な宿舎で生活しており、会社側がこうした劣悪な労働環境を放置していたと認定された。また、一部の労働者が業務中に負傷した際、適切な治療を受けられなかった事実も明らかになった。
一方、古川拓殖側は賠償金額が過大であり、支払い能力を超えていると反発している。古川拓殖の取締役アドリアン・エレーラ(Adrian Herrera)は、「会社のすべての不動産、車両、資産を売却しても4,100万ドルには到底達しない」と述べ、「現在の会社資産は600万ドルしかなく、賠償金全額の支払いは事実上会社の閉鎖を意味する」と主張した。さらに、エレーラ氏は現在工場で働いている数百人の労働者の生活がかかっているとし、裁判所に賠償額の減額を求めた。