ホーム トレンド 呼吸器系に忍び寄る影…鼻腔内に蓄積するマイクロプラスチックを発見、最新研究で判明した衝撃的な事実

呼吸器系に忍び寄る影…鼻腔内に蓄積するマイクロプラスチックを発見、最新研究で判明した衝撃的な事実

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引用:中央大学病院
引用:中央大学病院

人間の鼻腔内にマイクロプラスチックが含まれていることを、韓国の研究チームが世界で初めて確認した。通常の呼吸を通じて大気中のマイクロプラスチックが鼻から入り込み、鼻毛や鼻咽頭に蓄積されることが明らかになった。

中央大学病院は7日、耳鼻咽喉科のミン・ヒョンジン教授と韓国生命工学研究院(KRIBB)のジョン・ジンヨン博士が共同で行った研究の成果を発表した。研究チームは、ヒト鼻腔の組織サンプルからマイクロプラスチックを検出し、その化学的特性を分析した内容をまとめた論文を発表。この論文は、耳鼻咽喉科分野で評価の高い国際学術誌「Allergy & Rhinology International Forum(IFAR)」に掲載された。

ミン教授は「これまで海洋や大気中に存在するマイクロプラスチックについては知られていたが、それがどのように人体に入り込むのかは明確ではなかった。そのため、呼吸の経路である鼻に注目し研究を始めた」と語った。研究は、中央大学病院で鼻手術を受ける患者の同意を得た後、手術前に鼻毛や中鼻甲介、下鼻甲介、鼻咽頭液、中鼻腔液などのサンプルを採取して行われた。顕微鏡で分析した結果、10件の鼻腔サンプルから計390個のマイクロプラスチックが検出された。

ミン教授は「人体の組織には多量のタンパク質が含まれているため、まず分解酵素を用いてタンパク質や無機物を完全に除去した」と説明し、「その後、顕微鏡でサンプルを一つ一つ観察し、マイクロプラスチックを詳しく分析した」と述べた。

具体的に見ると、鼻咽頭液から129個、下鼻甲介から93個、鼻毛から86個、中鼻甲介から51個、中鼻腔液から31個が見つかった。これらのうち約91%は破片状で、繊維状のものは9%以下であった。ミン教授は「プラスチックの使用量が増加する中で、マイクロプラスチックの生成も増えている。最近では、これらが人体に吸収される可能性や、それが健康に及ぼす影響に注目が集まっている」と述べた。

研究チームは今後も引き続き研究をする予定だ。ミン教授は「今回の研究で鼻腔内にマイクロプラスチックが存在することを確認したので、次のステップでは、これらが人体にどのような影響を与えるのか、具体的な毒性や健康リスクについて検証を進める予定だ」と話している。

マイクロプラスチック

直径1マイクロメートル(μm・100万分の1メートル)から5ミリメートルのプラスチック片で、廃プラスチックやビニール、合成繊維などが摩耗や分解によって細かく砕かれたものを指す。体内に入ると、消化器官で吸収され、血液や臓器に蓄積して炎症や細胞損傷を引き起こすことがある。さらに、過剰に蓄積されると成長や生殖機能に悪影響を及ぼす可能性もある。

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