恐竜好きの子どもたちはよく「恐竜が絶滅しなかったらどうなっていたんだろう」と尋ねる。この問いは古生物学者や進化学者にとって重要な研究テーマだ。
子どもは誰しも1度は恐竜に夢中になる。恐竜マニアの子どもたちは「なぜ恐竜は絶滅したの?」、「どうして恐竜は1度に全滅したの?」といった難しい質問を投げかける。実は、こうした子どもたちの素朴な疑問は、科学者たちも抱いている。6,600万年前、小惑星が地球に衝突せず、恐竜が絶滅していなかったら、恐竜は現在どのように進化していたのだろうか。そして、人類は存在していたのだろうか。
季刊教養科学誌「韓国スケプティック」2024年冬号(第40号)は、このテーマを取り上げた「動物知能の進化史」を表紙特集として取り上げた。長年、恐竜の絶滅理由は「鈍くて、愚かで、見た目が悪かった」からだと考えられてきた。温血動物である哺乳類は活動的で俊敏だったのに対し、冷血動物の恐竜は動きが鈍く、日光のある時間にしか活動できなかった。巨大な体に比べて恐竜の脳は小さく、一方で哺乳類は小さな体格に対して比較的大きな脳を持っていた。そのため、小惑星との衝突がなくても恐竜は生き残れなかったという説もあった。
しかし、古生物学者で進化学者のスティーブン・ジェイ・グールド(1941〜2002)は、進化において偶然が非常に大きな役割を果たすため、「生命のテープを100万回再生しても、人類のような種が再び進化するとは限らない」と述べた。この観点からすれば、恐竜が絶滅しなかったとしても、人間のように進化することはなかっただろうという結論になる。
一方、カナダ自然史博物館の脊椎動物化石キュレーターである古生物学者のデイル・ラッセルは、異なる見解を示した。ラッセルは、「もし小惑星が地球をかすめて通過していれば、収斂進化によって比較的大きな脳を持つ恐竜の系統が、前方を見る目、直立歩行、物を掴める手、そして真に大きな脳を持つ恐竜型生命体へと進化した可能性がある」と主張した。収斂進化とは、遺伝的に遠い関係にある生物が類似した特徴を持つに至る現象で、この収斂進化が分岐と同様に頻繁に起こるため、この仮説が十分に想像可能だという。
さらに、これまで人間固有だと考えられてきた知的能力が、一見すると貧弱な脳を持つ動物にも存在することが次々と明らかになっている。実際にカラスは他個体の心を読む能力を持つ。9個の脳を持つタコは未来を計画することができる。イルカは人間と協力し、社会的ネットワークを構築し、さらには派閥まで形成するほどの高度な社会的知能を有している。
アメリカ・スケプティック学会の創設者であるマイケル・シャーマー博士は「近年明らかになっている動物の驚異的な知的能力を見ると、人類は生命を理解する際、あまりにも人間中心的な思考に固執している」とし「他の動物が貪欲、自己中心性、残虐性、戦争といった状況下でどのように考え、行動するかをより深く理解することが、人間自身を理解する手助けにもなるだろう」と述べている。