ホーム トレンド 温暖化で都市部のネズミ激増、ワシントンDCで10年間で390%増 東京は「市民の意識」で減少傾向に

温暖化で都市部のネズミ激増、ワシントンDCで10年間で390%増 東京は「市民の意識」で減少傾向に

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地球温暖化による冬の気温上昇が、主要都市でのネズミの個体数増加を加速させているとの研究結果が発表された。米リッチモンド大学のジョナサン・リチャードソン教授らの研究チームは、この内容を含む論文を科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に発表した。

研究はアメリカの13都市に加え、カナダのトロント、オランダのアムステルダム、日本の東京など、計16都市を対象に実施。これらの都市は、ネズミの目撃報告や駆除件数などのデータを提供した。研究によると、過去10年間でワシントンDCのネズミ増加率が390%と最も高く、続いてサンフランシスコ(300%)、トロント(186%)、ニューヨーク(162%)と急増していることが確認された。

調査対象都市のうち11都市で、ネズミの個体数が統計的に有意に増加し、ダラスとセントルイスではわずかな変化が見られたものの、統計的に有意な増加はなかった。一方、ニューオーリンズ、ルイビル、東京ではネズミの個体数が減少傾向を示した。研究によると、ネズミの増加傾向において気温上昇が占める割合は約40%であることが判明し、人口密度が高く緑地が少ない都市ほどネズミの個体数が多い傾向にあった。

リチャードソン教授は、「ニューオーリンズでは、ネズミの繁殖を防ぐための啓発活動が行われた」と説明した。東京については、文化的規範と清潔さへの高い意識から、市民が迅速に通報する傾向があるためではないかと推測された。

ワシントン・ポストは、ゴミ管理が適切に行われていない都市では、ネズミが日々豊富な食料を得ていると指摘した。多くの都市がネズミ対策を強化しているが、効果的な駆除には苦慮している。ワシントンDCでは不動産管理者や民間駆除業者を対象にネズミ捕獲の研修を実施し、さらに犬の飼い主の協力を得て、犬にネズミを捕獲させる試みも行われている。

ニューヨークのエリック・アダムス市長は「齧歯類被害軽減責任者」の募集を開始した。

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