最近、TikTokなどで話題になっている動画がある。それは、バナナの皮を顔に擦りつけるというものだ。動画に登場する人物たちは、バナナの皮には抗酸化成分が含まれており、ボトックスと同等の効果を得られると主張している。はたして、その主張は本当なのだろうか?
![引用:TikTokチャンネル - selinadasilvaa、katiejanehughes](https://contents-cdn.viewus.co.kr/image/2025/02/CP-2022-0028/image-cdf048fa-0810-44aa-b4e4-938886f1d2c5.jpeg)
先月31日、米紙「ニューヨーク・ポスト」によると、「セリーナ・ダ・シルバ(Selena Da Silva)」というTikTokチャンネルに「天然ボトックス」というタイトルの動画が投稿された。
動画の中で出演者は、「バナナの皮はボトックスと同等の効果がある」と言い、「バナナの皮を顔に塗ってから10分後に洗い流すと、肌が滑らかになり毛穴が引き締まる」と主張した。この動画は23万回の再生回数を記録し、話題を呼んだ。
このような主張は初めてではない。昨年4月にも、28万6,000人のフォロワーを持つメイクアップアーティストのケイティ・ジェーン・ヒューズがバナナの皮のボトックス効果を試そうと、自身のTikTokチャンネルに動画を投稿したことがある。ヒューズも「バナナの皮を顔に塗ると、肌が滑らかになり、毛穴が引き締まる効果が得られ、顔全体が引き締まった」と主張した。この動画は75万回の再生回数を記録した。
しかし、専門家によると、バナナの皮にはボトックスのような効果をもたらす成分は含まれていないという。カナダ・トロントの皮膚科専門医、ジータ・ヤダブ博士は「ボトックス注射と同等の効果をもたらす外用薬やサプリメントは存在しない」とし、「バナナの皮には抗菌成分が含まれているが、それを塗ったとしてもその効果は非常に微弱である」と説明した。さらに、同博士は「むしろビタミンCセラムのような一般的なスキンケア製品を使用する方が効果的だろう」と助言している。
アメリカ・クリーブランドの皮膚科医、テイラー・ブロック博士も「バナナの皮を顔に塗ることが、しわやクマ、炎症の軽減に役立つという科学的証拠はない」と述べている。バナナの皮には抗酸化成分が豊富に含まれているため、肌のケアに役立つとされているが、それにも限界がある。ブロック博士は「バナナの皮で肌の老化を防ぐことはできない」とし、「抗酸化成分が目的であるなら、抗酸化物質が豊富なスキンケア製品を顔に塗る方が遥かに効果的だ」と言い切った。抗酸化成分はブルーベリーや緑茶、ココアなどにも含まれており、実際に活性酸素や紫外線による肌のダメージを防ぐ手助けとなる可能性がある。
しかし、バナナの皮を肌に塗るだけでは、抗酸化成分が肌の奥深くまで浸透して効果を発揮することは難しい。むしろ、適切に洗浄されていない皮を使用すると、残留農薬に触れるリスクがあるため、バナナの皮を顔に塗る行為は避けるべきである。