南アフリカ共和国でサファリ(車で動き回り、野生動物を観察すること)をしていたスペイン人の観光客が象に踏まれて死亡する事件が発生した。
現地時間の9日、AFP通信などの外信は現地当局の情報を引用し、ヨハネスブルグから北西に約200キロ離れたノースウェスト州ピラネスバーグ国立公園でサファリをしていたスペイン人男性観光客A氏(43歳)が象に踏まれて死亡したと伝えた。
当時、A氏は婚約者と他の2人の女性とともに公園の野生動物保護区域で個人の車両でサファリをしており、象の群れを見つけて写真を撮るために車から降りて近づいたところ、襲われたとみられる。
A氏と一緒にいた他の人々は全員無事だと伝えられている。
公園の関係者は「観光客が近づくのを見て興奮した象のボスが攻撃した」とし、「大人の象が子象を保護しようとするのは正常な行動だ」と説明した。
また、「象がどれほど危険な動物であるかを理解していない観光客が多い」とし、「車から降りて野生動物に近づき自撮りをしたり、近くで写真を撮ったりすると、それが脅威や領域侵犯と認識され、恐ろしい結果を招く可能性がある」と厳重に警告した。
一方、アフリカで象が人間を攻撃するのは珍しいことではない。
ザンビア共和国では今年2回、象の攻撃で観光客2人がそれぞれ死亡し、今年3月にはピラネスバーグ国立公園でサファリ専用トラックに乗っていた観光客が象の攻撃を受ける動画がSNSに拡散されたこともある。
この事故より2021年には、南アフリカのクルーガー国立公園で密猟者と疑われる男性が象によって死亡した。昨年にも南アフリカと隣接するジンバブエで野生動物によって50人が死亡し85人が負傷する事故が発生したのだが、当時の野生動物のほとんどが象だったという。
ピラネスバーグ国立公園は、野生動物保護区域を訪れる観光客に対し、窓を閉め車から降りないよう注意を呼びかけている。