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今年3月にコンセプトカーを公開、電動化を加速へ
ドイツで次世代EV量産
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは2027年に2万ユーロ(約318万円)級の電気自動車を量産する予定だ。同社は、電気自動車を含む計9車種の新型車を2027年までに投入する計画も示している。
また、フォルクスワーゲンは5日(現地時間)、ドイツ・ヴォルフスブルクの本社でこのブランド戦略を発表したことを13日に明らかにした。フォルクスワーゲンブランドCEOのトーマス・シェーファー氏は「当社史上最大規模の未来戦略を推進し、すべての顧客に魅力的なe-モビリティを提供することが我々の約束だ」と述べた。
さらに、同社はヴォルフスブルク工場の従業員向けに、2027年に欧州で量産予定の次世代エントリーモデルとなる電気自動車のデザインを初公開した。この車両はMEBプラットフォームをベースに製造される見通しだ。フォルクスワーゲンは、品質と効率性を兼ね備えた手頃な価格の電気自動車をブランド戦略の柱の一つに据えており、来年発売予定の2万5000ユーロ(約397万円)クラスのID.2all量産版とともに、この新型小型EVをラインナップの中核モデルとして位置付ける計画だ。
一方、ヴォルフスブルク工場では新プラットフォームSSPを採用した次世代の純電気ゴルフと電動ティロック(T-Roc)の生産も予定されている。
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昨年12月、フォルクスワーゲンと従業員は「未来のフォルクスワーゲン」協定を締結した。これにより、持続可能なモビリティ分野における財務・雇用の安定性と技術リーダーシップを融合させた将来の方向性に合意した。
この協定はフォルクスワーゲンブランドが2030年までに、グローバルな技術リーダーとして量産メーカーの地位を確立することを目指し、その実現に向けた具体的な計画を含んでいる。
同社はこの目標達成に向け、「トリプルA」と呼ばれる3段階戦略を打ち出した。第一に、コスト構造の最適化とモデルポートフォリオの拡充による競争力強化を軸とした「加速(Accelerate)」戦略を展開し、第二に、2027年までにID.2all量産モデルやエントリー級EVを含む9車種の新型車を投入し、市場拡大を図る「攻勢(Attack)」戦略を推進する。これらの戦略を通じて、技術リーダーとして自動車の新基準を打ち出し、グローバルモビリティ市場を牽引する量産ブランドへの進化を目指す「市場主導(Achieve)」の実現を狙う。