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言い争いの末、客の目にカプサイシン成分をかけた40代の薬剤師に有罪判決が下された。
今月12日、韓国の仁川(インチョン)地方裁判所刑事8部(裁判長 ソン・インへ)は特別傷害の容疑で起訴された薬剤師A(42歳・女性)に対し、懲役8か月、執行猶予2年を言い渡したと発表した。
Aは2023年10月16日、仁川の薬局で、客のB氏(75歳)の顔にカプサイシン成分をかけて傷つけたとして起訴された。
カプサイシンは唐辛子の辛味成分で、胡椒や唐辛子から抽出される植物性物質であり、医薬品や香料などに広く使用されている。
Aは、B氏が薬局に訪れた際、自分に敬語を使わなかったことに腹を立て、「私があなたに何か失礼な事をしたのか」と問い詰めたことが、犯行のきっかけだと調査で判明した。
その後、Aは拳銃型のカプサイシン噴霧器を使ってB氏に3回噴射し、傷つけたことが確認された。
B氏はカプサイシンを浴びたことにより目が開けられず、薬局を出た後、近くの歩道に倒れ込み、救急車で病院に搬送された。
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B氏は「人工水晶体脱臼」と診断され、約10日間の通院治療を受けたが、最終的には硝子体手術と人工水晶体交換手術を受けることになった。
手術後もB氏の視力は回復しなかった。
裁判所は「被告の行為により被害者は相当な身体的・精神的苦痛を受けたと考えられる」とし、「被告は慰謝料として500万ウォン(約52万6,343円)を供託したが、被害者が刑事処罰を望んでいる点などを考慮した」と量刑理由を説明した。